ひろせ賜代ホームページ
イベント情報
廣瀬賜代 一般質問(2006.12.25)

学校図書館と司書業務補助員の現状と課題について

【質問】(ヒロセ) 子どもが本を読まない、いわゆる読書離れが、由々しき問題として教育界の話題に上ったのは、すでに40年も前のことです。

 その後、受験戦争の激化によって「本を読む暇があったら受験勉強をしろ」といった風潮が支配的となったため、読書離れの問題は棚上げされた恰好で改善を見ることなく、やがて事態は子どもたちの読書離れにとどまらず、大人も活字離れといわれる様相を示して、中堅出版社の倒産が相次いだのは20年ほど前だったでしょうか。
  政府では、これらへの遅すぎる対策として1997年(平成9)にやっと学校図書館法の一部を改正、小規模校を除く学校への司書教諭の発令を義務化し、また2001年には『子どもの読書活動の推進に関する法律』が制定されて、子どもたちの気持ちが読書に向くよう環境を整える政策に、ようやく目が向けられました。
  もっとも、これらはいずれも国からの予算措置などの裏づけがなく、実際には効果に乏しい『絵に描いた餅』となっていることは、みな様ご承知のとおりです。
  さて熊本市では、1995年(平成7)から学校に専任司書をモデル配置する事業に取り組まれ、『子どもの読書推進法』の制定に先立つ2000年に、市内の小中学校すべてに『学校図書館司書業務補助員』という職名で、いわゆる学校司書の役割を担う学校図書館専任の臨時採用職員を配置されました。
  これにつきましては、市教委ならびに多くの先輩議員のみな様のご尽力のおかげであると、深く感謝しております。
  子どもの読書環境を整えるということは、具体的には、子どもたちの生活環境の一部である学校の中にある図書館を整えるのが早道です。また、図書館の機能の七割は人が支えると申しまして、すなわち司書がいてこそ、図書館は生き生きとした教養の殿堂として機能できます。専任司書を得た熊本市内の小中学校図書館は、いずれも大幅な利用増を果たしました。
  図書館利用の一つの指数として使われる、貸し出し冊数の推移を見ますと、どの学校でも2倍ないし3倍、目ざましい学校では司書の配置前の10倍もの利用増が見られて、事業の効果は誰の目にも明らかです。

 さらに学校図書館の任務の大きな柱である、資料の提供による子どもたちの学習支援や、先生方への授業支援の面でも、着実に成果をあげており、全校配置も7年目となりましたいまでは、司書業務補助員は学校になくてはならない存在との認識が、学校内に定着してきています。
  ところが、その司書業務補助員は、臨採身分であるために一日に五時間しか勤務できず、特に大規模校では事務量に対して勤務時間が足りないなど、さまざまな問題を抱えております。
  その本題に入ります前に、ではなぜ子どもに本を読ませたいのか、という学校図書館充実事業の根幹となる部分について、一つだけ所見を述べさせていただきます。
  みな様は『ITに殺される子どもたち』という本をご存知でしょうか。大脳生理学の観点から、子どもたちの脳にテレビ脳やゲーム脳といわれる発達障害が起きていることを報告し、警鐘を鳴らしている本ですが、ここ数年、そうした事象を取り上げた類書が何冊も刊行されています。
  研究によれば、テレビやテレビゲーム漬けで育った子どもは、理性や感性などの精神活動をつかさどる脳の前頭前野の発達が未熟で、すなわち人格形成に影響するような後天的発達障害を起こしているといいます。
  この前頭前野の発育に寄与するのが、友達との遊びや野外での遊びなどの経験と、読書だといわれています。
  従来言われてきた読書の効用といいますと、たくさんの言葉や言い回しを知ることによる言語能力の育成や、豊かな教養の元となる雑多多様な知識の吸収、また一冊の本の中に込められた作者の思いや信条と出会うことで、人とは多様なものであることを理解する感性が身につく、などが上げられると思いますが、私は、現代的な子どもの問題を読み解くヒントの一つとして、この前頭前野の発達不全という大脳生理学分野からの警告に注目し、それへの対策として提唱されている『読書のすすめ』を重く受け止めているものです。
  いま学校では、子どもたちの向学心の薄れによる学力の低下や、他人の気持ちを無視したいじめの蔓延による自殺事件の多発、学校という集団社会になじめずに家に引きこもる不登校などの事象が起きていますが、それらの原因の一つが、幼いころからテレビに子守をされ、ゲームを友として育った子どもたちの大脳の、後天的な発達障害にあるとするならどうでしょう。いまの学校問題が、昭和 29 年制定の教育基本法の不備や、教員の指導力不足にあるのではなく、課題は子どもたち自身の脳内にあるとの指摘は、私は的を射ていると感じますし、たいへん憂慮すべきことと思います。
  それと同時に、そうした子どもたちの発達をうながす手段として「読書が役に立つ」という研究結果は、わたしは教育界挙げて飛びつくべき有効な行動指針であると考えますし、文科省が取り組んできた学校図書館の蔵書充実のための交付税措置や、読書推進法の制定も、そうした警鐘に応えた動きであったとも言えるでしょう。
  しかし、『為になるから読みなさい』と押し付けられる読書ほど苦しいものはありません。子どもたちには、楽しいから読む、好きだから読む、という自分の選択として積極的に本を手に取る読書家になって欲しいわけです。
  そこで、子どもが本好きになるような環境整備を進めようというのが、全国で行なわれている学校図書館の充実を求める市民運動の眼目であり、市町村の取り組みであり、熊本市では専任の人の配置によって学校の図書室大好きっ子たちが増え、ひいては読書好きの子どもたちも増えていると思われます。
  そこに人がいることが、学校図書館を血のかよった暖かい空間にし、学校内のオアシスとして機能するほか、保健室登校に代わる図書室登校といった活用例も見られます。
  しかし、熊本市の司書業務補助員配置事業には、まだ大きな課題があります。その最たるものが、学校図書館を支える事実上の立役者である『司書業務補助員』の雇用形態です。
  問題点を整理するために、主要なことだけ申し上げますが、先ほど申しました 5 時間勤務の問題のほか、

 (1) 一学期ごとに雇用が切れる臨時採用職員であるために、年間を通した計画的な活動が保証されない。まして年次を超えての蔵書収集計画などは立てられない。

 (2)『業務補助員』という身分のため、正規の学校スタッフとして職員会議に参加する機会もなく、学校の行事予定などがわからないまま活動しているといった実態がある。

 (3)また雇用規則により、学期ごとの雇用が続けて5年を超えることが許されないため、経験を積んで専門性を高めた人材をわざわざ手放すというリスクが発生している。

 これらに加えまして、わたしたちは毎年、予算査定の時期が近づくと、この『司書業務補助員』の配置事業が次年度も継続されるのかどうか、どうか続いてくれと祈りながら、息を詰めて見守ってきたという現実があります。
  それはひとえに、市職員さんでさえ「え、学校司書って臨採なんですか?」と驚かれ、「そうした業務内容なら、当然、嘱託身分になっているべきでしょう。なんで臨採?」と不思議がるような、不安定身分での雇用が、いっこうに改善されるメドも見えないからです。
つまり、司書業務補助員の配置事業そのものが、臨時的なものとして考えられているのではないかと危惧してきたわけです。
  この身分問題は、この四年間、教育市民委員会の場で何度も申し上げましたが、教育長のご見解は、「この財政きびしい折に、臨採身分にしろ専任の人を置けているということを評価して欲しい」というところにとどまり、じつは教育長ご自身も、来年の予算査定ではどうなることかとハラハラし続けてこられたのではなかったかと拝察しております。

 そこで市長にお尋ねします。

 子どもたちの教育や人格育成に対する学校図書館の存在意義、ならびに学校図書館司書が担う役割についての、市長のご認識をお聞かせください。
  また今後、熊本市の学校図書館をどのように運営していかれるおつもりか。端的に言えば、学校司書を、養護教諭や学校主事などのような学校に必須な恒常的スタッフとして位置づける方向でお考えいただけないものか、お答えください。
  私は、本来でしたら学校司書は学校定数法の範疇で正規の人員とされてしかるべきと考えていますが、現状ではそうした法整備が進む気配はありませんので、市独自の取り組みとして『学校司書』の位置づけができないものか、という提案です。
  なお『学校図書館法』および『子どもの読書推進法』では、そうした市町村の努力を期待しておりますし、沖縄県や岡山市、豊中市など先進例はいくらもあります。

 市長のご答弁をお願いします。 

【答弁】(幸山市長)  学校図書館について、お答えいたします。

 学校図書館は、教育活動に必要な図書や資料などを提供することで、子どもたちの自主的・自発的な学習を支援し、創造性や感性を育むなど、学校教育において欠かすことのできない施設であり、子どもたちの身近な読書活動の拠点として、その果たす使命と役割は極めて重要であると認識いたしております。
  そのため、蔵書の充実、司書業務補助員の全小中学校への配置、蔵書のデータベース化、市立図書館や学校間の図書の貸し借りなど、学校図書館の充実に取り組んできたところでございます。

 また、学校図書館司書が担う役割についてでございますが、議員も述べられましたように、「人」の果たす役割は大きいものがあると私も思っております。司書業務補助員を専任の職員として配置しましたことで、学校図書館が温かい空間になり、子どもたちのニーズに応じた貸し出し等にも対応できるようになったところでございます。司書業務補助員の方々には、子どもたちの読書環境や学習環境の維持・向上を図るうえで大切な役割を担っていただいていると認識しております。

 次に、司書業務補助員を「学校司書」として正規職員に位置づける考えはないか、ということについてでございますが、現在、各学校に図書主任や12学級以上の学校には司書教諭も配置されており、また、本市においては、行財政改革推進計画の中で職員数の削減を進めておりますことから、現状では難しいと考えております。

しかしながら、先ほど述べましたように、司書業務補助員の担う役割は充分認識しておりますので、司書業務補助員の配置につきましては、今後も継続してまいりたいと考えております。

(ヒロセ) 議員定数の削減によって浮いた予算を、嘱託化に回してもらえるよう願う。

 

熊本駅前東A地区再開発ビルに設置を予定されている情報交流施設の運営について

【質問】(ヒロセ) この質問は、ビジネス支援機能を備えた図書館施設をベースとして作られることが期待されております『(仮称)情報交流施設』につきまして、民間委託ないし指定管理者制度による運営も視野に入れて研究中と聞き及び、それで果たして、この施設に必要なはずの高い専門性を持った職員を育てられる体制が取れるのだろうかと危惧しまして、お尋ねするものです。
  図書館の機能の7割は、利用者へのサービスに当たる『人』が担うという話は、先ほどの学校図書館についての質問の際にも申し上げましたが、市民への広範な情報提供を大きな柱とする、俗に『ビジネス支援図書館』と呼ばれる高機能公共図書館を実現するには、高いサービス能力を持ったスタッフの確保が必須であることは、市長もよくご存知のとおりです。
  私はこの四年間、行政視察や個人視察で多くの先進的といわれる図書館を見学してきましたが、すぐれた図書館はいずれも、高い専門性を持った職員を育成できるような運営と雇用のシステムをとっていました。
  すなわち、司書資格を持った正規職員が図書館運営の主力となるような、ある意味きちんとお金をかけた運営を確保していることが、図書館としての高い機能を保障していることを、多くの実例として見てきたわけです。
  申すまでもなく図書館職員というのは、貸し出しの手続きや返却本の棚戻しをするだけの人々ではありません。そうした物理的な作業は、ボランティアなどに任せている図書館も多かったです。そうした誰でもやれる仕事に、せっかくの専門知識と能力を持った正職員を当てておくのは、財政的にももったいないからです。
  図書館職員の本来の業務とは、何万冊という蔵書の中から、お客様が必要としている本を見つけてあげること。「こんなことを知りたい」という漠然としたニーズを持って訪れたお客様にも対応できるだけの、豊富な知識と経験によって、「図書館に来てよかった」と思わせるようなサービスを提供することです。
  そのためには、まずは自分の図書館の蔵書内容を熟知していなくてはなりません。さらには、出版物全体についてのある程度以上の知識や、欲しい情報が見つけられる本探しのテクニックも必要です。また、尋ねられた本が手元にない場合でも、なんとか提供する方法を考えるような、旺盛なサービス精神も不可欠です。
  そうした能力を備えた図書館職員を、ここでは仮に『プロの司書』と呼びますが、私は、せっかく新設する情報交流施設の図書館部分は、そうしたプロの司書たちで固めた、やがては全国有数の高機能公共図書館として名を馳せるような施設を目指して構想いただきたいと、強く願っているところです。
  そのためには、どういった人材をどういった雇用形態で配置するのかが、大きな鍵となります。
  ここで申し上げたいのは、優秀な司書を育てるには、時間がかかるということ。本とお客様のあいだをサービスでつなぐ経験を十年二十年と積んで、次第に一人前になっていく職柄だということを、まず念頭においていただきたいと思います。ベテランほどいい仕事をする職人芸のような世界でもあります。
  また、司書とて霞を食べて生きていくわけには行きませんので、一生の仕事として奉職できるだけの身分保障がないことには、優れた人材を確保し続けることはできません。
  そうしたことを考えますと、3年ないし5年ごとに事業主体が変更になる可能性がある指定管理者制度による運営は、まずもってなじまないということになります。
  民間委託につきましては、先日うかがいました筑紫野市民図書館で、その実例を見ました。10年前に新設された市民図書館は、当初より、人件費を抑えるために、職員は民間の人材派遣会社を通して雇用しており、ただしそれらの職員さんたちは、この10年間、同じ方が継続して配置されています。つまり市の直営にしないことで人件費の単価を抑えつつ、継続雇用を守ることで司書さんたちの身分は保障してきたというわけです。
  給与面がどうかは気にかかるところながら、これも一つの方法ではないかと興味深く思ったことでした。
  しかし、今議会でしきりと話題になっております『州都』構想から逆算して、いずれはこの情報交流施設を、州都候補地にふさわしい情報収集・提供拠点として強化発展させていくといったところまで想定しますなら、当初からそれなりの陣容を固めた直営施設として、しっかりと形作っておく必要があります。

 そこで市長にお尋ねします。

 産学協働施設ともリンクした先進的なビジネス支援図書館の一つとして実績を上げている、静岡市の御幸町図書館は、市長も見学に行かれてたいへん感銘を受けられたと聞いておりますが、ああしたレベルの施設を熊本市が持つためには、どのような運営方法を取るべきか。理想を交えてのお答えでけっこうですので、市長が夢見ておられる『知の拠点』構想としてお話しください。  

【答弁】(幸山市長)  熊本駅前東 A 地区の情報交流施設の運営に関するお尋ねにお答えいたします。

 私は、これまでの市政運営を通じ、まちづくりの基本は「人づくり」にあると感じており、人がまちを築き、まちが人を育てる、そのような熊本づくりを進めたいと思っております。
  その一環として、この情報交流施設も位置づけており、その目指す姿として「人や産業を育て、くまもとの明日を創る」とともに、駅正面という立地性から「熊本の魅力を創造・発信する」ことを掲げています。

  そして、この施設を熊本駅周辺の発展のみならず熊本地域全体の活性化に寄与する施設にしてまいりたいと考えております。
  そのためには議員ご指摘のように、この施設の運営に携わる「人」が重要なポイントになると思っております。

  この施設にはビジネス支援、情報図書、観光・郷土の各部門を設置する予定であり、様々な情報を収集・蓄積するとともに発信・提供したいと考えています。

  このため、それぞれの部門に専門的知識を有する人材、いわば「知の案内人(コンシェルジュ)」を配置し、多様な情報を分かりやすい形で提供し、訪れる人の個別のニーズに対応したいと思っています。
  この案内人をはじめ、施設を運営するスタッフには豊富な知識と高い専門性に加え、おもてなしの心など目的意識を持つことも求められます。

 このような人材の育成、確保が大きな課題であると認識いたしており、今後、庁内の検討会議において、具体的な運営体制を検討する中で、議員のご提案の手法も考慮しながら、運営に万全を期してまいります。

(ヒロセ) ぜひいいものにしていただくよう期待している。

 

GIS(地理情報システム)活用による災害弱者支援システムならびに観光政策について

【質問】(ヒロセ)  先般、兵庫県西宮市におけるGIS(地理情報システム)の活用状況を、個人的に視察してまいりました。たいへん感動いたしましたので、報告方々いただいてきた資料を市長ほか関係各位にお配りさせていただきましたが、ご覧いただけましたでしょうか。
  全国で最高レベル、かつ国際的な注目も集め始めている西宮市のGISは、阪神淡路大震災の折、被災住民支援のための情報システムとして活用すべく、当時の市の情報システム課チームが必死の突貫作業で取り組んで、大きく飛躍発展しました。
  西宮市では1961年(昭和36)という早い時期から情報化に取り組み、現在「行政情報システム」と「内部情報システム」に大別される情報システムを稼動させていますが、この行政情報システムは「総合住民情報システム」と「内部情報システム」から成り立っています。
  この「総合住民情報システム」が、まずはご注目いただきたいものです。内容としては、住民情報、税務情報、福祉情報、教育情報システムおよび震災業務支援システムが含まれています。
  この中の震災業務支援システムは、地震でメチャメチャになった町の、住民の方々の安否や居場所を、行政がいち早く正確に把握し、必要な支援を的確に行なうために構築された電子情報システムで、住民票を元に、各家族ごとの一人ひとりの安否、避難場所、災害復興援助金の利用状況などを詳細に記録してあり、震災から11年目となる現在も、被災住民のその後をケアする基本情報として活かされています。
  また同時に、GISを利用して、多くの家屋倒壊や火災が起きた町の被災状況の把握・分析が行なわれ、のちには家屋の復旧・復興状況図や、活断層の分布図、被災状況と活断層の相関図、新築家屋構造別状況図などが作成されて、市の復興の取り組みへの情報提供に貢献しました。
  そうした情報提供システムの存在が、近隣自治体に比べていち早かった西宮市の復興を支えたことは、想像に難くありません。
  正確で詳細な情報ほど、正しい判断を導くことは誰しも経験していることですが、ことに非常時における情報の不足や混乱は、判断の過ちによる二次被害を生む元でもあり、危機管理の重要な着目点であることに異論はないでしょう。
  さて西宮市情報システム課では、先だっての中越地震の際には、地元自治体に対して、この震災業務支援システムの提供を申し出られましたが、関係自治体には電子情報システムの便利さへの理解がなく、受け入れてもらえないで残念だったと嘆いておられました。
  熊本市には立田山活断層などが存在し、いつ起こるかわからない地震被害への対応は想定しておかなくてはなりません。また震災に限らず、大規模な水害や、近隣県で原発事故が起きた場合の避難民の流入といった非常事態においても、この被災者支援システムを核とする情報整理のノウハウは活用できるものだと思います。
  先般、西宮市の資料を持ってうかがった総合防災室には、ぜひ西宮に研究に行かれるようお勧めしましたが、市長にもぜひお出かけいただきたいと思います。
  前置きが長くなりましたが、これより本題に入ります。お疲れのみな様には、首を回すなどの息抜きをしていただき、リフレッシュしたお耳で聞いていただきたいと思います。
  わたしが、この西宮市の『総合住民情報システム』の中でも、特に「これはいい! 熊本でも欲しい」と思いましたのは、『地域安心ネットワークシステム』という Web 仕様の情報配信です。これは、福祉・防災・消防の各部局が連携し、住民とりわけ災害弱者の緊急時及び災害時支援を主目的に作られたもので、個人情報が満載されていますので、行政内部での利用しかできません。実物を見たい方は、西宮までお出かけいただかなくてはなりませんが、内容はこうです。
  たとえば、ある場所で火災が起きて、延焼の危険があったとします。担当者は、地域安心ネットワークシステムの GIS をパソコンに呼び出し、火災箇所の周辺50メートルといったふうに状況に応じた検索範囲を決めて検索をかけます。すると画面上の地図に、その範囲にある一人暮らしの老人や寝たきりの方などがおられる家々が表示されます。
  例として見せていただいた画面では、ゼンリン地図の精度の市街地図に一瞬で十件以上の表示が出ました。
  またさらに、そうした要援護者がいる各家々の詳しい情報、つまり A さん宅では酸素吸入を必要とする寝たきりのおじいさんが、家の南端の部屋におられる、といった情報が瞬時に見られます。
  消防では、そうした情報を勘案して、必要な避難援護などをすばやく行なうというわけです。
  このシステムは、水害や土砂災害などでの避難情報を出す際にもたいへん役立ち、実際に西宮市でも台風の際の避難勧告に活用し、水が上がりそうな地区の老人世帯の早期避難を行なって事なきを得たそうです。
  なお個人情報の収集については、市の職員と民生委員が協働して、一軒一軒にシステムの説明を行い、情報掲載の承諾を得たうえで、稼動しておられるそうです。
  ちなみに西宮市の人口は約四十七万人で、熊本市よりは少し規模が小さいですが、けっして小さな町というわけではありません。また西宮市より高齢化率が高い熊本では、こうした災害弱者への支援策の必要性も高いといえます。
  日ごろからの備えとして、熊本市でもぜひ導入していただきたいですが、担当局長のお考えはいかがでしょうか。

【答弁】(総務局長)  災害発生時の初動対応といたしましては、地域住民相互の協力が何より不可欠であり、中でも災害時に援護を必要とされる障害者やひとり暮らしの高齢者の方々、いわゆる災害時要援護者の地域支援体制づくりが特に重要であると考えております。
  そこで、平成17年9月に健康福祉局・消防局・危機管理防災室による要援護者避難対策に関するワーキンググループを設置し、平成18年3月に県が策定した「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」に沿って、要援護者の状況把握や具体的な避難支援の方法等について検討を重ねてまいりました。
  その結果を取りまとめ、今年度中に必要な措置を講じるための対策マニュアルを策定する予定であります。
  ご提案の、 GIS 地図情報を活用した災害弱者支援システムは、たいへん効果が高く有効な手段であると考えられます。
  今後、議員ご紹介のありました西宮市など先進市の状況等を調査しますとともに、現在、災害時の被害情報の集約などで運用しています「熊本市防災情報システム」や「消防指令官制システム」との連携の検討、さらに県と共同開発を計画しております汎用 GIS システムの構築の状況を見守りながら、関係部局で検討してまいりたいと考えております。

【質問】(ひろせ)  もう一つのおススメは、地図案内サービス『道知る兵衛』です。

これも西宮市が独自に開発されたものですが、汎用 WebGIS を活用したシンプルで使い勝手のよいソフトとして、大阪府や和歌山市、市川市、篠山市などがすでに許諾使用しており、全国に広まりそうな気配です。よいものはみんなに使ってほしいというお考えで、他の自治体からの要請があれば無償でソフトの使用を許諾されています。また京都府の篠山市や千葉県の市川市などが発注したような、自分のところ用の『道知る兵衛』を開発してくれといった依頼にも応えておられます。自前のソフトを使用して、自前のスタッフで作るので、たとえば『市川市道知る兵衛』の開発にかかった経費というのは、耳を疑うお安さでした。
  『道知る兵衛』は、住民のための地域情報を集積した、暮らしに役立つナビゲーションシステムとしての利用のほか、観光客に対する魅力的な道案内サービスの提供方法としても使えます。
  わたしが目をつけましたのは、ここです。熊本市は観光立市宣言を出し、熊本城築城400年祭をばねにした観光都市としての発展を目指していますが、全国並びに韓国や中国などからの集客も望みたいにしては、集客の取り組みも受け入れ体制の整備もまだまだ遅れていると感じます。
  観光客に対する市としてのサービス体制の一つとして、携帯電話でもカーナビ情報なみの道案内サービスが受け取れる『道知る兵衛』を導入することは、観光客の皆さんに便利に観光していただくための、有効な手立てとなりそうですが、担当局のお考えはいかがでしょうか。かなりのデータを乗せられるシステムのようですので、ハングル語版や中国語版の展開も可能なのではないかと思われます。

 経済振興局長のお考えをお聞かせください。

 ただし、これらのシステムを実用化するには、まずは地図情報を載せる土台となる、汎用 GIS の構築が必要です。つまり各方面各分野からの各種の情報が、自由自在に書き込める Web 用の白地図が準備されたうえでないと、『道知る兵衛』などの情報検索ソフトの利用も指をくわえて見ているしかないわけですが、熊本市では、県と共同して汎用 GIS を構築しようという計画があるように聞いております。現在の状況と今後の見通しについて、企画財政局長のご答弁をお願いします。 

【答弁】(経済振興局長)  観光客が旅先で、必ず必要とするものは、観光施設や宿泊施設等の場所が掲載してある観光マップであり、本市においても、観光客にとって見やすくわかりやすい観光マップの作成に努めているところであります。
  また、インターネットが普及する中、観光客が、いつでも、どこからでも観光地図情報を検索、利用できるよう、本市の観光ホームページ「満遊くまもと」では、登録してある観光施設とその周辺の地図情報を携帯電話からも利用できるようになっております。
  ご提案のありました地図案内サービス「道知る兵衛」につきましては、住所や施設名称から即時に地図を表示できるほか、登録した店舗等についても業種、名称、電話番号から検索できるなど、優れたシステムと伺っています。
  インターネットを利用した地図案内サービスについては、観光客にとって利便性の向上に繋がることであり、「道知る兵衛」につきましても、利用状況や導入経費や維持経費など、他都市の事例を調査するとともに、現在、熊本県と市町村で構成する協議会において、汎用型地理情報システムの共同導入についても検討がなされておりますので、その状況を見極めながら、より良い地図案内サービスについて、今後、関係課とも連携を図りながら検討していきたいと考えています。

【答弁】(企画財政局長)  汎用型 GIS 導入については、私の方からお答えします。

 このシステムは、今後、地域全体の情報化を進めるために必要な基盤システムであり、本市域内だけでなく広く県域での活用や広域連携を進める上でも、県内自治体が共同で取り組む方がより効果が大きいことから、現在、「熊本県・市町村電子自治体共同運営協議会」において検討を行っているところでございます。
  今後、県や県内市町村と連携しながらできるだけ早い時期に導入できるよう努めてまいりたいと考えております。

(ヒロセ) 便利なシステムなので、ぜひ積極的に導入に取り組んでいただきたい。

•  いじめ問題に関連して、子どもの人権保障の取り組みについて

【質問】(ヒロセ)  いじめが原因の子どもたちの自殺が相次ぎましたことは、教育界のみならず日本の社会全体を揺るがす、切実な問題提起です。その対策は、学校のみに負わせて済むようなことではないとの認識も広がってきておりますが、実際にいじめの現場となることが多い学校での対応というのは、やはり重要です。そこで二点お尋ねいたします。
  まず一点目は、政府方面で声が上がりました、「いじめる子どもに対する懲罰的措置」すなわち教室から排除するなどの考えがあることについて、教育長のお考えをお聞きします。
  先日、伊吹文部科学大臣は、『そうした方法は望ましくない』と表明しましたが、中学校の中では現在すでに、服装規定を守らない子どもや授業態度の悪い子どもを教室に入れない措置などが、生徒指導対策として一般的に行なわれており、そうした範疇の中で『いじめた子』への隔離政策というのも、現場の判断として行なわれる可能性があるのではないかと私は心配しています。
  従来行なわれてきた、先生の言うことを聞かない子どもたちの教室からの排除というのは、その子どもの『教育を受ける権利』を侵害するやり方として問題視されてきましたが、授業妨害などが見られる場合には、授業を邪魔されることで侵害される他の生徒の権利を守る必要がある、ということで黙認されてもきました。
  たしかに、教師への反抗として暴れる、騒ぐといった迷惑行為を続ける、授業を受ける気もない生徒に対しては、「教室を出なさい」と言わざるを得ない事情もあるかとは思いますが、では生徒間のコミュニケーションのもつれであるいじめ対策として、そうした方法を使うことで、何かよい結果が生まれるでしょうか。
  私は、学校側の『対策を採っています』という言い訳に使われる以外、問題解決にはまったく寄与しないと考えます。
  いじめられた子の保護者に、「いじめた子は教室から追い出しましたので、お子さんはもう大丈夫です」と告げることで、学校の責任が果たせたとお考えになるような学校管理者は、熊本にはいないと信じますが、解決がたいへん難しいといわれる校内の『いじめ問題』に悩むあまりに、ついそうした乱暴な策に心惹かれる場面があるかもしれません。
  そこでこの件についての教育長のご所見を伺っておきたいと思います。

【答弁】(教育長)  「いじめる子どもに対する懲罰的措置」についてどう思うかというご質問にお答えします。

 委員会としましては、いじめは、絶対ゆるされないこととして、いじめが起きた場合には、毅然とした態度で臨み、いじめられている児童生徒をしっかり守るということを基本として考えております。
  いじめには様々な形がございまして、議員ご案内のように、生徒間のコミュニケーションのもつれによる言葉のいじめや集団での無視などもございます。
  中には暴力を振るうものや金銭を脅し取るなど犯罪につながるケースも見られますので、そのような場合には、被害の子どもの安全を守るために、いじめる子どもと一時的に距離を置くことが必要であろうと考えます。
  しかしながら、いじめ即出席停止や別室指導という措置をとるのではなく、いじめる側の子どもについて、これまでの成育歴等も把握しながら、その子どもの生活そのものを見つめ、保護者や学校、関係機関がもっと深く関わりあって指導していくことが大切であろうと考えております。

【質問】(ヒロセ)  関連しまして二つ目として、13年前に批准された『子どもの権利条約』に対応した、『子どもの人権』についての思想啓発ならびに権利教育の進捗についてお尋ねします。 
  いじめ問題の裏側には、他人の苦しみに配慮できない人権センスのなさが透き見えますが、その原因は、人格的な発育不全などの子どもたちの内部問題ばかりにあるのではなく、そもそも日本では、子どもに対する人権保障がたいへんオソマツだ、という社会環境にも根があるように思えます。
  このことは私個人の感想ではなく、国連の子どもの権利委員会から日本政府に対し、くり返し改善勧告が出されていることです。
  自分が大事にされている実感もないのに、他人を大事にできる寛大さを持てと、子どもたちに求めるのは、無理難題というものだと私は思うわけです。
  『子どもの権利条約』の理念については、みな様ご存知のとおりですのでここでは触れませんが、批准当時、学校現場などでささやかれていた「こんなものを子どもに教えたら、わがままに手がつけられなくなる」といったあやまった受け取り方は、いまだに社会通念として存在するようで、その証拠に、学校や地域で子どもたちにこの条約の存在や内容を教える取り組みは、あまり進んでいないように見受けられます。
  子どもには生きる権利がある、守られて育つ権利がある、安心して暮らす権利がある、誰に対しても自分の意見を言う権利がある。
  これらの権利を保障する努力が、いじめ問題や不登校、引きこもりなどの子どもの問題の多くに、解決のめどを与えるのではないかと私は考えますが、熊本市の教育行政の方向性を見守るお立場にある教育委員長のお考えはいかがでしょうか。お聞かせください。

【答弁】(教育委員長)  『子どもの権利条約』に対応した、『子どもの人権』についての思想啓発ならびに権利教育の進捗についてのお尋ねにお答えします。

 まず、教育委員会の「児童の権利に関する施策」については、自分のことが好きという、いわゆる自尊感情やコミュニケーション能力の育成等を推進していますが、平成16年3月に作成しました第1集の「じんけん1」では、特に「児童の権利に関する条約」については中学の社会科の公民的分野、技術・家庭科の家庭分野の教科書にこの条約やそれと関連する記述があり、そこで学習する機会があり、また、教育委員会が独自に人権カレンダーを作って児童・生徒の目に触れるように教室に掲示したりもしています。
  その他の具体的な教育委員会の施策として、子どもたちが日頃の思いや願いを自由に述べ合い、大人と子どもたちがともに学び合う事を目的として、「熊本市子どもフォーラム」を開催し、「児童の権利に関する条約の趣旨を生かした意見発表・交換の機会」としています。平成10年度からスタートし、現在年に4中学校区で開催していて、それには保護者や地域の方々も参加して既に小・中学校合わせて64校区で行われています。
  また、毎年8月には市長、市議会議長にもご出席頂き、ふるさと熊本のくらしや未来について語り合う、熊本市中学生による子ども議会を開催しています。
  さらに、日常的な「子どもの意見表明の機会の確保」についても小・中学校でそれぞれ学級会、委員会、全校集会その他多くの機会が子どもの意見発表の場となっています。
  ところで、いじめについては自殺者が多数出るのは何故でしょうか? 先の田辺議員の質問にもお答えしましたが、私は、子どもたちに「自分の行為が相手にどのような影響を与えるのかという他人を慮る心」が育っていない結果ではないかと思っています。そして原因としては子どもの自制心の低下、友人関係の構築が不得手な児童生徒の増加、受験での過剰な競争などが考えられると思います。

 いじめ等を減らす為には人権教育は大切だと思いますし、さらに根気強く推進して頂きたいと思っています。

 (ヒロセ) 子どもたちへの啓発は進んでいるようだが、それを受け止めるべき、地域をはじめとするおとなたちへの啓発にも力を入れて欲しい。おとなに意識がなければ、子どもたちの権利は守られない。

 

情報漏えいが疑われた工事入札に関連して、第三者調査機関の設置について

【質問】(ヒロセ)  9月6日の地元新聞朝刊に、『熊本市発注土木工事 落札額と最低制限価格“接近”』という見出しの記事が載りました。
  その内容は、『熊本市が2005年2月以降に発注した土木工事(予定価格2千万以上)は、落札額と最低制限価格との差が1%未満で落札されたケースがほぼ8割を占めていることが、5日わかった。最低制限価格と同額も8件あり、建設業界は「明らかに不自然。発注者側が情報を漏らしている可能性がある」と指摘している』というもので、9月議会の総務委員会の中でも取りざたされた問題です。
  この問題につきましては、 5 月に最低制限価格の決め方を変えるという対策が採られ、以後こうした事例は起きていないそうですが、
  この件に関して、情報漏えいがあったのではないかという疑惑に、市が充分応えられていないことに焦点を絞りまして、お尋ねをしたいと思います。
  かなりのスペースを割いて報道されました同記事は、契約検査室次長の「現在は入札すると最低制限価格に張り付く傾向が鮮明」であり、「制限価格との差が極めて小さい額での落札も、企業努力でたまたま近づいただけだろう。市から情報が漏れているとはとうてい考えられない」というコメントで結ばれていますが、私は残念ながら、このコメントに信用を置くことができませんでしたし、多くの市民の方々も同じでしょう。
  「身内のアリバイ証言は信用できない」というたぐいの、常識的な疑いを持たざるを得ないからです。
  このことは、立場上お答えになられた次長さんにとっても不幸なことです。市からの情報漏れはない、ということを証明する手段を持たないまま、「身内を庇っているんだろう」といった疑いの矢面に立たれるわけですから。
  もしもこの件で職員からの情報漏えいがなされていた場合には、公務員法による守秘義務違反、入札妨害、あるいは贈収賄事件の可能性もある犯罪行為となるわけで、警察の捜査が行なわれてもおかしくはないと思いますが、今回の件については、市に大きな損失を与えたといった事例ではなかったため、県警も動かなかったというふうに漏れ聞いております。また市民からの監査請求、あるいは議会からの同様な要求の対象にするには、現行の制度では「市あるいは市民が、そのことで明らかな金銭的損失をこうむった」という面からの追求しかできないということで、すなわち『情報漏えい疑惑』といったことには、まったく対処法を持たないのが市の現状です。

そこで市長にお尋ねします。

 クリーンな政治、清廉潔白な行政運営を目指しておられる市長は、市職員に対するこうした疑惑が取りざたされることは、大きな黒星であるとお感じだろうと拝察します。また市民としても、白なら白であることが、きちんと説明されることを望んでいると思います。
  そのためには、行政内部からの「うちでは誰もそんなことはいたしません」といった回答ではなく、きちんとした根拠を持ち公正な立場からの説明であると納得がいくような、客観的な調査結果を提供できる第三者機関が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  同時に、情報漏えいなどの不正については、内部告発によって明らかになる例が多く見られますが、「ああいうことはおかしい」と思いながら、適切な告発手段がないために沈黙しているといった状況は、熊本市にはありませんでしょうか。
  内部告発というのは、仲間を裏切る密告というふうに認識されがちで、告発者の秘密が守られることが必要であり、また逆に悪意による誹謗中傷の道具に使われないための注意も必要ですが、不正を目の当たりにしながら、累を恐れて口をつぐんでいるしかない状況があるとしたら、それは口をつぐむ当事者たちのモラル意識をも侵食します。
  先ほど申し上げた第三者機関は、あるいはそうした自浄努力としての内部告発の持ち込み先も兼ねる形で設置をされると、より有益かもしれません。

市長のお考えをお聞かせください。   

【答弁】(市長)  行政内部の不正を未然に防ぎ、正すため、第三者機関を設置してはどうかというご提案に対し、お答えいたします。

 先日来、岐阜県に端を発した裏金問題や、相次いで発覚している入札談合問題など、行政の組織的な犯罪と思われる不祥事が各地方自治体において発生しておりますが、地方分権が一層進み、各自治体が独自の行政を行っていかなければならない中にあって、住民の信頼を裏切る、或いは自治体の根幹を揺るがすような不祥事は絶対にあってはならないものであると考えております。

 本市においても、このような不祥事件が発生することのないよう、組織の見直しをはじめ、電子入札など入札方法の見直しや会計処理のシステム化等を随時行ってまいりました。また本年4月、国が公益通報者保護法を施行したことに伴い、職員が不利益な取扱いを受けず不正を正すことのできる「内部通報制度」も導入したところであります。

 本市の制度においては、ご提案の第三者機関の設置はいたしておりませんが、通報窓口や調査組織として第三者機関を設置している他都市もあることから、そのあり方や取り組みについて研究してまいりたいと考えております。

なんと申しましても、市民から信頼される市政を実現するためには、職員一人ひとりが公務員としての誇りと責任を自覚しながら日々の業務を適正に処理することが最善と考えますことから、そのような職員の意識の醸成と職場環境づくりに、なお一層努めてまいりたいと考えております。

(ヒロセ) 行政の公正さ、クリーンさを保障するシステムは必要と思うので、研究してください。

 

熊本電鉄のLRT化と市電との結節について

【質問】(ヒロセ)  昨年11月から、私は合志市の神田議員(当時は西合志町議)と協力して、熊本電鉄の LRT 化と市電結節を実現しようという市民活動に取り組んできました。
  電鉄の市電結節については、ずっと以前から実現をめざした市民や議会内での動きがあり、わたしたちの市民研究会は、そうした諸先輩方に続く第三世代といったところのようです。
  私たちの活動は、「廣瀬さん、たまには夢のある話をしませんか」という神田議員のお誘いから始まりました。人にも環境にもやさしい便利で安全な、ライトレールによるまちづくりを考えてみよう。車であふれる国道三号線の渋滞を緩和し、ヨーロッパなどの例では中心市街地に自然と人が戻ってくるような効果も期待できる。鉄軌道を基軸として、そこから枝を張るようにバスを走らせると、いまバス路線がなくて不便をしている地域も便利になるだろう。無理して自家用車を持たなくても暮らせる町というのが、高齢者や低所得者にもやさしい、今後めざすべきまちづくりの一つの柱ではないか。
  そんな夢を語り合いながら、「どうすれば、その夢が実現できるか」と模索してきました。
  その間に、この事業が実現できるか否かは、関係自治体の首長たち、ことに熊本市長の決断にかかっている、という見解を、国や県の関係者なども含めた多方面から耳にしました。
  さて、新聞報道もされましたが、今月の6日に持ちました第七回熊本電鉄の LRT 化を考える市民研究会でのミニシンポジュームの席上、幸山市長から、市電と熊本電鉄の結節についての意欲的なご発言をいただきました。市民グループが主催する会でのこととはいえ、マスコミ各社もお集まりの場でのお言葉ですので、わたしたちは市長の公式発言と受け止めてよいだろうと考えておりますが、そのような認識でよろしいでしょうか。まずはその確認をさせていただきたいと思います。
  先般の9月議会における、佐々木議員の質問に対する局長答弁で、市は実現を目指す方向での検討に入っているらしいとの感触は得ておりましたが、あれから三ヶ月たちまして、いよいよ意向が固まった解してよろしいですね? 市長にお答えをお願いいたします。
  合わせて、さっそくですが今後のご予定を伺いたいと思います。熊本電鉄の延伸による市電との結節は、幹線国道を一部利用する熊本都心部での大規模事業となりますので、先の市民研究会での市長のご説明のとおり、ルートの選定をはじめとして解決しなければならない課題は多く、各分野からの知恵を結集する必要があります。
  しかしまた同時に、熊本電鉄には、赤字続きの鉄道事業を廃業するか存続させるかの判断の瀬戸際から出してこられた、今年の 3 月までと返答期限を切っての市への投げかけへのお返事を、いままでお待ちいただいてきた経緯もあります。
  そこで、待ちに待たれていた市長の意向表明が出されたうえは、できるだけ早期に、この件に関係する二市と県、国、事業者及び学識者や市民を含めた合同プロジェクトチームを組んでいただき、実現に向けた具体的な検討を押し進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

市長のご答弁をお願いいたします。   

【答弁】(幸山市長)  熊本電鉄の LRT 化と都心結節、並びにプロジェクト組織の立ち上げについてお答えいたします。

 熊本電鉄の都心結節は、本市にとりまして、北部方面の公共交通軸の強化にとどまらず、今後の都市圏のまちづくりや中心市街地の活性化を進めます上でも、重要な課題と考えております。
  このため、市電軌道への乗り入れや LRT 化も含めた方策について、現在、県・合志市と連携し、今年度中を目処に、行政としての対応方針を取りまとめるべく、検討や協議を進めているところであります。

(ヒロセ)  たいへん慎重なご答弁、ありがとうございました。即断即行で突っ走るのが好きな私としましては、今年度中に実現に向けたプロジェクトチームを立ち上げたい、といったお答えを期待しておりましたが、そうは問屋がおろしませんか。ともかく進捗を楽しみに見守ってまいりますので、グイグイ前進なさってください。
  私は、この事業は、よい意味で熊本のまちの姿を大きく変える可能性を持っていると信じておりますし、「日本一暮らしやすいまちづくり」の夢への一歩前進として大いに期待しております。
  ですので、やるからには妥協の産物などではない、極力理想を追求した形での実現を見たいと思っています。
  いまわたしのところには、電鉄線 LRT 化にあたってのルートについて、松崎のカーブの手前からまっすぐ伸ばし、北部保健センター前を通過させて国道に出す案はどうか、という市民の方からの大胆なアイデアが寄せられています。
  清水亀井駅から、北部保健センター前、室園郵便局ならびに肥後銀行清水支店前を通って、熊本市総合女性センター前、浄行事停留所、藤崎宮前、白川公園前といったふうに来て、水道町で市電と合流。ただしこれでは単線案で、運行本数が制約されてしまいますから、もう一ひねりの工夫が必要ですが。
  それにしても、藤崎宮前の県道から右折して国道に入るという現在の電鉄案より、むしろ妥当性が高いと私は思うのですが、過去の検討案の中にこの案が見られなかったのは、思いつかなかったというより、実現はむずかしいとして廃棄された結果ではなかったのでしょうか。
  わたしが申し上げたいのは、そこです。絶対不可能なことに当たって砕けろなどというムチャは申しませんが、「むずかしい」というハードルは、越えようと努力すれば案外越えられてしまう場合もあります。また安易な妥協の産物というのは、のちに後悔を生むことが多いものです。
  そうした意味で、ぜひ大胆に理想を追求した事業計画に挑戦していただきたい。担当される皆さんには、後世に名を残す仕事をしようという野望に燃えて頑張っていただきますよう、ご期待申し上げます。  

 

熊本産院の経営改革の現状、ならびに市の早産予防対策と妊産婦支援の現況について

【質問】(ヒロセ) 昨年度1年間の議会を挙げての大激論の末、今年三月の議会で条件付き存続が決まりました熊本市民病院附属熊本産院につきまして、時期的にまだ少し早いかとは思いますが、経営改革の進捗状況をご報告ください。
  合わせまして、今現在の問題点や課題、それについての解決の見通しを、忌憚なくお聞かせください。
  市民病院長のご答弁をお願いいたします。  

【答弁】(市民病院長)  私からは、熊本産院の現状につきましてお答えいたします。熊本産院は本年6月に策定いたしました「熊本産院収支改善計画」に沿って、職員の意識改革、収入の確保、経費の縮減等の取組みを行いながら、収支の改善目標の達成に努めているところでございます。
  本年度行いました収支改善の主な点といたしましては、産院の PR の一環としてのリーフレットの作成、市政だよりを活用した月々の両親学級開催のお知らせ等の広報、看板の設置、子育て支援課との連携による助産制度の周知及び職員配置の見直し等でございます。また、熊本産院として初めて先月25日に産前・産後を通じた楽しい育児を応援する「育児塾」を開催し、100名を超える方々にご参加いただいたところでございます。
  さらに、本年10月からは、患者様の利便性の向上と患者数の増加を図るために、土曜日診療も開始したところでございます。
  そこで、本年度前半の利用された患者数の状況でございますが、このような取組みを行ってはおりますが、昨年度の同時期と比較いたしまして、入院、外来及び分娩数におきまして約2割程度減少いたしております。この原因といたしましては、熊本産院が本年3月に廃止されるとの情報により、昨年度末から患者様側が利用を控えられたこと、また、本年4月からの助産ができる病院の拡大に伴い、助産分娩の患者様が減少したことによるところが大きいと考えております。
  いずれにいたしましても、熊本産院といたしましては、お示しいたしております収支改善計画を今後さらに着実に実施し、目標が達成できますよう患者様の確保等に最大限努めてまいりたいと考えている次第でございます。

【質問】(ヒロセ)  存続の条件として付帯決議されました「2年以内に赤字を3千万以内に抑える経営改革を実行する」という大命題をクリアするには、産院一丸となったご努力をさらに頑張っていただかなくてはならないようですが、頑張る産院を支援する執行部内部の動きも欲しいと思います。
  そこで、健康福祉局の政策的な姿勢についてお尋ねします。
  わたしたちが頑強に産院存続を主張した理由は、二つありました。
  おさらいとして簡単に申し上げますと、一つは、ソフロロジー分娩や出産直後のカンガルーケアや母子同室、母乳育児の実施により、利用者の健全な母子関係の形成に成功していて、社会問題となっている母親による乳幼児の虐待といった事例は一例も出さず、この問題についての具体的な対策を体現してみせている施設であること。
  二つ目は、これまた社会問題といえる、赤ちゃんが危険な超未熟児あるいは極小未熟児で生まれてしまう早期早産の増加問題に対し、適切な予防教育とケア、サポートを講じれば、そうした早産は充分防ぎえることを、実績として証明している施設であること。
  この二点を高く評価した私たちは、熊本産院を「日本一子育てしやすい」まちづくりの根幹に置く、『よい出産と楽しい育児』を広める拠点施設として活用するべきだと判断して、産院廃止絶対反対の論陣を張ったわけですが、拠点施設という意味合いは、そこだけが頑張るということでは、むろんありません。
  熊本市で生まれるすべての赤ちゃんたちに、月満ちて生まれる健康な出生を果たしてもらえるような、早産予防を着実に推進する市としての保健指導体制。また、精神障害に至る深刻な産後ウツや、育児放棄や乳幼児虐待といった不幸な事例を生まないための、喜びに満ちた健全な母子関係の構築を援助する、市による妊産婦支援および育児支援。
  またそれらのノウハウは、熊本産院の活動が具体的な手本を示しているとはいえ、それを広く全市の『あたりまえ』として実施するには、市の保健センターや民間医療施設などの関係諸機関が、心を一つにして取り組まなくてはなりませんし、そうした態勢を実現するには、営利的な立場とは一線を画して住民福祉の責任を負う市当局が、主導的に指導監督する必要があると思われます。
  そこでお尋ねします。熊本市としての早期早産予防対策として、いまどのような活動を実施しておられますか。また妊産婦支援の具体的な事業展開について現況をご報告ください。それらについての熊本産院ならびに市民病院産科との協力状況も合わせてお答えください。                 

健康福祉局長にお願いいたします。

【答弁】(健康福祉局長)  本市の早産防止対策・妊産婦支援の現況についてお答えいたします。

 まず、早産防止対策でございますが、本市におきましては、保健福祉センターにおいて母子健康手帳の交付時に、心身の健康状態、経済状況、家庭関係等を含めて保健師が相談に応じ、妊娠中の日常生活の注意や健康管理、定期健診の受診、喫煙について等早産防止に向けた指導を行っております。
  さらに今年度からは、妊婦一般健康診査後の保健指導が必要な方について、保健福祉せんたーで継続して支援をしていくために、受診表に保健福祉せんたーへの連絡欄を設け、医療機関との連携を充実させたところでございます。
  次に、母子関係の構築を援助するための妊産婦支援や育児支援の現況についてでございます。
  産後うつ病の早期発見と支援を行うために、平成17年2月から、産婦人科医療機関での1か月健診時にお母さん方にアンケートを実施しており、要支援者に対しては保健福祉センターから家庭訪問を行い、専門医療機関の紹介や育児支援等を行っております。
  また、本市では、「出産をめぐる赤ちゃんとお母さんの安心づくり」を目指して、助産師や保健師による母子訪問指導事業や産後ホームヘルプサービス事業に取り組んでおりますが、今後さらに、妊娠中からの継続的な支援を充実していくために、母子訪問指導事業について、産婦人科医療機関への委託を検討しているところでございます。
  最後に、熊本産院や市民病院産科との連携状況についてでございますが、昨年度から、病院職員と保健福祉センター職員を対象に研修会を開催し、それぞれの取組みについての理解を深めるとともに、赤ちゃん訪問指導マニュアルを作成するなど、情報交換と連携の強化を図っているところでございます。

 

自治基本条例案が審議未了のまま廃案になった場合の対処について

【質問】(ヒロセ)  昨年3月に市より議案が上程されました熊本市自治基本条例案は、現在「地方自治の推進に関する調査特別委員会」で審議中であり、その結論を待たずしてのお尋ねで恐縮ですが、任期満了を控えております関係でいましかありませんので、お許しください。
  さて自治基本条例とは、安定した行政への市民参画システムを保障するため、市の主権が市民にあることや、具体的な行政への参画の仕組みなどを定めるもの、と私は認識しております。
  市民主権については、日本国憲法では「国民」に主権があることが規定されていますが、それに基づき自治体の中では「市民」に主権があることを、明確に定めた法令は存在していません。また行政への市民参画の仕組みについては、現状の法令にほとんど具体的な規定がありませんので、市独自の仕組みを模索し、定めておく必要があります。つまり、自治基本条例は現行の法令を補うことにより、本来あるべき市民と市の姿を定めるものとなります。
  現在、全国的に、こうした自治基本条例の策定気運が高まっている裏には、地方分権の推進があることは、改めて確認する必要はないでしょう。これまでは国・県に従属的であった市町村が、基本自治体として国とも対等的な関係となったことにより、市政運営に関する市の「意思」つまり団体自治が問われる時代となっている。このため、その地域における自治そのものを再定義し、それを実現する方法について、市民と行政が合意しておくべきことを定める必要性が出てきた、というわけです。
  そうした自治基本条例には、一般的に次のような項目が必要であると言われています。
1.市民主権の宣言
2.市民の、行政に対する参画の権利

3.住民の代表である議会の責務
4.市の、市民参画をシステム化する責務
5.市民の、行政運営に関るにあたっての権利及び義務
6.市の、市民参画型行政の運営にあたっての責務
7.具体的な市民参画の仕組み
8.本条例の最高法規性及び改廃に関すること

 このようなことから熊本市の自治基本条例案では、市と市民と議会という三本の柱が自治を支えるという考え方を、条項に盛り込んでいます。
  さて、特別委員会では、審議を付託された昨年4月以来、条例の重要さにかんがみて慎重な調査研究を重ねてこられ、この10月からいよいよ本条例案の内容に具体的に踏み込んだ議論を始めておられますが、わたしが心配いたしますのは、果たして今議会の任期満了までに結論が出るのだろうかということです。もしも結論が出なかった場合には、任期満了時に自然廃案となります。
  また慎重審議の結果、条例案が否決されるという可能性もあります。
  私は、熊本市の自治の確立のためには、自治基本条例が絶対に必要だと考えていますので、今期、廃案もしくは否決となった場合には、改選後の議会に再度提出して、ぜひとも成立をめざしていただきたいと思っておりますが、市長のお考えはいかがでしょうか。自治基本条例の制定を発議された提案者としての、条例への思いも含めましてお答えください。

【答弁】(幸山市長)  自治基本条例の制定についてお答えいたします。

 まず、自治基本条例に対する私の思いを述べさせていただきたいと思います。

地方分権改革により、地方自治体は自らの決定と責任で、地域や市民のニーズに合致した政策を展開し、特色のあるまちづくりを進めていくことが可能となり、市民の皆様にとりましても最も身近な自治体としての熊本市が担うべき役割は、大変重要なものとなっております。

 そして、この分権時代に対応した市政運営は、申し上げるまでもないことですが、熊本市というまちを構成する、市民の皆様と市議会そして行政、この3者の協働により進めていかなければならないものでもございます。
  そのようなことから、「自分たちのまちは、自分たちが創る」という考え方を基本に置いて、市民・市議会・行政の3者の役割を明確にし、これからの新しい熊本の自治を進めていくための「3者共通のルール」として、自治の基本理念や市政運営の原則、市民参画や協働の仕組みといったものを自治基本条例という形で定める必要があると考え、取り組んできたところでございます。
  そして、この条例づくりに際しましては、百名を超える公募市民による市民会議におきまして、約1年間の熱心な討議を経て、案をおまとめいただきましたし、シンポジウムや地域説明会も協働で開催いたしました。

さらに、一人でも多くの市民の皆様にご理解をいただくため、通常より長い期間パブリックコメントを実施し、164名の皆様から701件もの御意見・御提案をお寄せいただいたところであります。
  そのほか、市政だよりへの条例案の掲載、自治会長や各種団体の皆様に対する説明会、地域公民館などでの出前講座、といった様々な活動を積極的に展開してまいりましたし、オープンハウスでは、私自身もこの自治基本条例の広報活動に勤めたところでございます。

 このような取り組みの結果、5000名を超える市民の皆様に自治基本条例を制定する意義や必要性をご理解いただき、パブリックコメントの意見と合わせますと約900件の意見をいただきました。

 一方、行政の対応といたしましては、職員に対する研修会の開催をはじめ、全庁的な検討に取り組むとともに、学識経験者による法的な検証を加えて、条例案としてまとめ、議会に提案させていただいたところであります。

 この条例案につきまして、廃案あるいは否決になった場合の対処につきましてご質問をいただきましたが、現在、「地方自治の推進に関する調査特別委員会」におきまして、ご審議をいただいているところでございますし、ただ今、ご説明いたしました条例案の策定の過程も踏まえ、是非ともご可決いただきたいと存じます。

(ヒロセ)  私も可決を望んでいます。市民会議での素案作りから関わってまいりました私としましては、できればこの議場で賛成の挙手ができる、今の任期中の成立を見たいものです。改選後の議会に私がいるかどうかは、未来のことでわかりませんので。
  ところで、「地方自治の推進に関する調査特別委員会」では、先日12月7日の会議で、現在の自治基本条例案には異論が多いとして、修正案の検討に入ることを決定されました。
  より市民の思いに近い方向への修正がなされるものと期待しておりますが、一つ気がかりがあります。
  すなわち、執行部提出の条例案は、地域説明会やパブリックコメントなどによって、広く市民のご意見をいただく手続きを踏んで上程されたものです。またこのパブリックコメントには、他の案件とは桁違いの700件にも及ぶ意見が寄せられ、市民の関心の高さを示したものでした。
  従いまして、議会委員会提案として修正案が提出されるに当たっても、執行部案提出の際と同様な、市民への修正条例案の周知と意見募集、その検討と反映という手続きが踏まれるのが当然であると考えますし、特別委員会の委員のみな様も同様にお考えと拝察いたしておりますが、何分にも私たちの任期は来年 4月までで、時間の制約がたいへんきびしゅうございます。
  紫垣委員長ならびに委員のみな様には、時間と競争しながらのたいへんなご努力をいただくことになると思いますが、なにとぞよろしくお願いいたします。

○その他

(ヒロセ)  最後にその他の項として、一点ご提案を申し上げます。

 熊本市は、その魅力のひとつとして「清冽で豊富な地下水」に恵まれていることを自負し、市内の水道水のすべてが美味しい地下水でまかなわれていることは、たしかに住民にとっては熊本の魅力とも誇りともなっています。
  しかしそれを対外的にアピールする、『熊本の美味しい水』というブランド発信は、残念ながら現時点では成功しているとは言えません。熊本市のオフィシャルウォーター『熊本水物語』の販売は、先日西議員もお触れになられたように、いまだ限定的な試みにしか過ぎませんし、今後その広範な展開が可能かどうかについては、私は懐疑的です。
  つまり、コンビニなどの棚で、エビアンやヴォルヴィックといった国際ブランドや、「富士伏流水」といった全国ブランドと競合していけるだけのネームバリュー、ないしは、そうしたネームバリューを得ようというハマリがあるかと考えますと、期待は持てないと感じてしまう次第です。
  すなわち、熊本市がその美味しい水資源を売りにしたければ、もっとべつのやり方を考えたほうがいいと思うわけで、その方法として、私は「ただで美味しい水が飲める」公共の水呑場の設置を提案するものです。
  具体的に申し上げるなら、熊本に来ると、熊本城などの観光地や町のあちこちに、いつでも誰でも美味しい水が自由に飲める水呑場が作ってあるので、わざわざペットボトルの水を買って持ち歩かなくても済む。
  その水呑場には、『熊本市の水道水は、すべて美味しい地下水が使われています』といった宣伝がさりげなく書いてあって、利用された観光客の方々は二倍得をした気持ちになられる。お帰りになられて、「熊本って、お水が美味しいのよ」と宣伝くださる。
  それがすなわちリピーターの獲得につながるとまでは申しませんが、熊本に対する好感度を上げることには寄与しましょう。
  観光ポスターなどで『森と水の都』と標榜しても、熊本の水資源の大方は地下にあって、江津湖でも見ていただかない限り、実感いただくのはむずかしい。そんな熊本市の『水』をアピールする施設として、美味しい飲料水を無料提供する公共水呑場の設置は、一考に値するアイデアと自負いたしますが、いかがでしょうか。
  それなりのおしゃれなデザインで展開していただきますと、景観面からの街のイメージアップにもなると思います。浜田知名先生など在熊の彫刻家の方々にご助力いただけたら最高ではないでしょうか? ご検討いただければ幸いです。

以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。ご清聴いただきました議員の皆さん、たくさんのおいでをいただきました傍聴者の皆さん、たいへんありがとうございました。

ページの先頭へ


戻る
 
トップページへ