17 年第 3 回定例会 ひろせ賜代一般質問 報告
【質問項目】
1 市立産院の見直し問題について
(1)市政だより掲載記事について
・「抗議文」に対する市長の見解
(2)新生児期母子サポートセンターについて
・訪問ケア事業の計画内容
・サポートのカバー率
(3)産後ケアについて
・産科医療機関に対する産後ケアの働きかけ
2 有明海の再生を目指す施策について
(1)水産資源の質の低下に関する調査の進捗状況
(2)諫早湾干拓工事について
・工事による環境汚染解決の必要性・対策
(3)「有明海がんばれサミット」の状況
・有明海の再生を目指す具体的な動きについて
3 ヒートアイランド対策としての緑化推進について
(1)屋上緑化の助成制度について
・助成指定区域内での助成件数・今後の見通し
(2)市有施設駐車場の緑化
(3)民間駐車場緑化への助成
4 熊本市の ISO 14001に基づく取り組みの成果とエコアクション21の認証登録推進について
(1) ISO 14001について
・成果報告の PR
(2)エコアクション21について
・環境管理システムの推進
・指定管理者選定における事業者評価項目への取り入れ
5 空港騒音問題から見た夜間貨物便就航計画について
(1)騒音測定と情報公開・住民説明会の実施
(2)熊本空港環境整備協議会について
(3)夜間便就航への賛否について
(4)今後の交渉について
6 その他
(1)看板・広告物の落下防止対策について
(2)原子力発電所の事故に対する備えについて
《お断わり》 以下の質問は、廣瀬が前もって準備した草稿を掲載したもので、当日に変更した部分などもあります。正確な発言は、市のHPに公式掲載されます議事録をごらんください。(廣瀬註)
『一歩の会』の廣瀬賜代です。一般質問での登壇は 3 回目となりますが、相変わらず緊張しております。お聞き苦しい点がありましたら、なにとぞご容赦ください。
それではさっそく質問に入らせていただきます。
熊本市立産院の見直し問題について
今年 3 月の第 1 回定例会で、市立産院についての鈴木弘議員の質問に答えた「来年度には廃止の提案をしたい」という市長答弁以来、わたしたち産院の存続を願う超党派女性議員グループは、さまざまな機会を捉えて、市の産院見直し案についての数々の疑義を表明してまいりました。
しかしこれまでのわたしの印象では、残念ながらこちらのお尋ねに対して正面からお答えいただいていないと感じています。
そこで改めまして、市立産院の廃止統合案と抱き合わせに提示されている(仮称)新生児期母子サポートセンター案の問題点を中心に、お尋ねをいたします。どうか腹蔵なく、かつ具体的なお答えをいただきますようお願いいたします。
まず最初に、市政だより 8 月号に掲載された『市立産院見直し』の記事につきまして、市長の所信をお伺いいたします。
当記事について、わたしたちは「すでに産院の廃止は決定事項であるかのような誤解を与える、情報操作を狙った書き方だ」として市長への抗議文を提出し、また記事の内容に関する公開質問状を提出いたしました。
これについて市では、公開質問状の内容に対する一応の回答はくださいましたが、そもそもの記事そのものについてのわたしたちの抗議に対しては、特段のお答えをいただいておりません。
市長が行政の『説明責任』を重んじておられることは、高く評価するところですが、『説明』することと『言いくるめる』ことは意味が違います。ましてや、市の都合に合わせた偏った情報を出して、市民の判断を誘導しようとするやり方は、非常に問題であると申し上げたわたしたちの抗議を、どう受け止められたのでしょうか。
市長は、行政と市民が協働する新しいまちづくりを標榜される中で、協働の柱として『情報の共有』ということをおっしゃっています。私も、市民が責任ある立場として主体的に市政にかかわるには、行政は多くを知っているが市民には情報が足りないという現状が、改善される必要があると考えています。ですから、行政と市民が同等の情報量をもとに、それぞれの立場から対等な議論を行なおうとする市民会議活動については、議会軽視ではないかとの声もある中、わたしは市長のお考えを支持する立場をとってきました。
また議会への情報提供よりもマスコミ報道のほうが早いといった批判についても、私は、どちらが先ということより、政策決定段階での早い時期に情報が出てくるようになったことのほうを評価すべきと考えています。
しかし今回の市政だより 8 月号での、産院見直し案についての市の情報の出し方には、まったく納得がいきません。納得できない理由は、記事の内容が、市の案が含むメリット・デメリットを公正に市民の前に提示して選択を待つというものではなく、粉飾されたメリットのみを示して、市民に市の案を鵜呑みに受け取らせるよう誘導しようとする、もっともやってはいけない形での情報操作であると思うからです。
私たちの抗議に添えた公開質問状への市の回答に対して、わたしたちがお返しした『回答についての見解』と題した文書の中で、いささか過激ながら「大本営発表とおなじ手法の情報操作」という言葉を使わせていただいておりますが、その裏には、公明正大な情報提供による『市民との情報の共有』を謳ってこられた市長が、なぜこうした我田引水型の偏向した情報出しを容認されたのかという、悔しいやら悲しいやら情けないやらの思いがありました。
そこで市長にお尋ねいたします。公正な議論をモットーとされている市長が、こうした市の都合に偏った作為的な情報出しを指示されたとは、私は信じたくないのですが、真相はどうなのですか。
この記事に対する私たちの抗議文には、市長も目を通されたことと思いますが、どうお感じになられましたか。抗議文の提出後、面談させていただきました健康福祉局長は、「(読む人の)受け取り方の問題でしょう」とうそぶかれました。市長も、あの記事の詭弁性について、同様にお答えになるのでしょうか。
なにとぞ誠意あるご答弁をお願いいたします。
(答弁)
市立産院の見直しに関しまして、「市政だより掲載記事について」と、「産後ケアについて」の2点にお答えいたします。
産院見直し計画案につきましては、6月に議会に具体案をお示しし、ご論議いただいたところであり、その中で、特に市民への説明責任につきましてもご指摘をいただいたところでございます。
そのようなことから、育児グループや地域住民の皆様への説明会の実施とともに、広く市民の皆様に対し、経緯や現時点での計画案の概要等について説明を行うことを目的に、8月号の市政だよりにおきまして特集記事を掲載したところであります。
特集記事では、「案」であること、あるいは「見直しを進めている」ことを明記するなど、決定事項との誤解を与えないように配慮をいたし、また、その内容については、これまで議会でご論議いただいているものをもとに分かりやすく説明したものであり、抗議文には目を通させていただきましたが、ご指摘のような「情報操作」あるいは「粉飾」といったものではないと考えます。なお、議員の皆様をはじめ、市民の皆様の中には不安を感じておられる方があるのも事実でありますので、今後とも、これらの資料をもとに更に説明を重ねてまいります。
次に、議員ご指摘のとおり、本来、産後ケアは、出産を行った各産科医療機関が直接対応することが望ましいと考えております。
しかしながら、多くのお母さん方が産後ケアの必要性を感じておられる中、実施している産科医療機関が数箇所しかない現状であります。
このようなことから、今回の見直し計画におきまして、まずは行政が現在の産院の施設や人材を活かし、産後ケア業務を確立し、今後は、産科医療機関における拡大を図ってまいらねばならないと考えております。
つぎに、公開質問状への回答では充分お答えいただけなかった点を、お尋ねします。
市が提案されている(仮称)新生児期母子サポートセンターの役割の大方は、現在すでに市立産院が提供しているサービスであり、かつ現行では年中無休・ 24 時間受付の医師も含めた体制で相談を受け、また医療サービスも実施しているが、市のサポートセンター案では医師は置かず深夜の受付はなくなり、また休館日が設けられるとのことで、サービスが大きく低下します。
また訪問相談事業につきましても、現在、市の保健福祉センターの地域保健課員 63 名が、助産師会の応援を受けてもまだ人手が足りないというこの事業に、 9 名の体制とされている新生児期母子サポートセンターの職員が加わったとしても、焼け石に水だろうという論議は、先の 6 月議会での委員会質疑の際に申し述べさせていただいたところですが、その際の市長のご答弁は、「(前略)今、産院で行っています医療、またケア等につきまして、 7000 組市内全域に広げたいという思いは無理ではないかというご指摘もありましたけれども、今回の見直しの中でぜひとも実現したい、そうでなければならないという思いを持っているところでございます」というものでした。
はっきり申し上げて、これは市長の理想を語られただけであり、理想を持つのは大切なことながら、それが実現されることが確かになる具体的な方策が提示されないかぎり、政策提案とは申せませんでしょう。
市長の理想が実現されるには、保健福祉センターに母子支援の専任スタッフを十分な数だけ配置するとか、あるいは妊娠中から関わった病院や診療所が、公立民間を問わず、産後ケアについても責任を持つようなシステム作りなどの体制整備が必要であり、これが実現した暁には、あるいは産院の存続を見直すことも考え得ることかもしれません。
市民は、絵に描いた餅を配られても何の利益も得られません。現在の市の産院見直し案は、スクラップ&ビルドの『ビルド』のメドもないままにスクラップのみを先行させた、順序を間違った施策であると私は思います。
そこで健康福祉局長にお尋ねします。新生児期母子サポートセンター案の目玉と思われる訪問ケア事業には、サポートセンターの職員のうち何人がどういった体制で携わる計画で、どういった成果を挙げられるとお考えなのか、年間訪問数の試算などを含めて具体的にくわしくお答えください。それによって、年間 7000 組の新生児期母子の何割にまで、サポートの手が届くようになる計算なのかも、合わせてお答えください。
(答弁)
(仮称)新生児期母子サポートセンターにおける新生児等母子訪問指導事業の計画内容と実施率についてお答えいたします。
本市では、家庭の状況や母親の不安、育児の状況等を把握し、支援が必要な家庭に早期から関わるために、新生児や乳児とその母親の訪問指導を実施しているところでございます。
現在、低体重児等のハイリスク児を保健福祉センターの保健師が訪問し、それ以外を熊本市助産師会に委託しており、平成16年度の訪問指導件数はそれぞれ、1,595件(註1)、3,072件で、実施率は全出生児の約6割となっております。
しかし、積極的に自ら支援を求めていくことが困難な状況にある家庭を支援するために、熊本市で生まれる約7,000名全ての赤ちゃんを訪問することが必要であると考えております。
そこで、今後は、低体重時等のハイリスク児約1,600名は従来どおり保健福祉センターの保健師が、その他の第 1 子約 2,700 名については新生児期母子サポートセンターの助産師等が訪問し、第2子以降の約2,700名は熊本市助産師会に委託したいと考えているところでございます。稼動日数や一人一日あたりの訪問件数等から試算しまして、6名体制で2,700名の訪問に充分対応できるものと考えております。
また、高い専門性を有する助産師等が、産院でこれまで培ってきた赤ちゃんとお母さんに優しい看護技術を活かすことにより、初めての育児に戸惑う第1子の母親に対しての支援を充実させるものでございます。
このように、全ての家庭を訪問し早期にお母さんの育児支援を行うことにより、安心して子どもを生み育てることができる体制を整備し、子どもたちの健やかな成長を目指すものでございます。
註1 この数字はあやまっていたとのことで、のちに担当課より訂正がありました。正しくは1049件です。
A有明海の再生を目指す施策について
かつて「宝の海」と呼ばれた有明海が、近年その生産力を大幅に低下させ、漁業者のあいだでは『有明海の再生』が死活問題として捉えられていることは、皆様ご存じのとおりです。
高値で取引される全国ブランドだった天然クルマエビの壊滅的減少などの漁業資源の枯渇、赤潮の多発や広域化・長期化による漁業被害、また水質の悪化によると見られる養殖のりの色落ちや病害の発生が恒常化していて、生産高を確保するには多大な努力が必要となっていることなどは、いまさら申し述べることもないでしょう。
熊本市議会でも平成13年第2回定例会で津田征士郎議員が、また第4回定例会で上野美恵子議員が、さらに昨年16年の第1回定例会で島田俊六議員が、それぞれの危機意識からこの有明海の問題についての質問を行なっておられます。
私は、「宝の海」有明海が現在のような危機的状況に陥った原因としては、諫早湾干拓事業の影響による多面的な環境悪化が大きいと見ておりますが、これにつきまして先月、公害等調整委員会が『可能性は否めないが、明確な因果関係を認めるには至らない』として漁業者らの原因裁定申請を棄却しました。しかし、公調委への諮問に当たった専門委員会の見解を覆す内容であったことから、漁業者らの反発を招き、「よみがえれ有明海訴訟」への多数の追加提訴が行なわれる結果となっています。
熊本市からも、 9 月 9 日現在で335名の漁業者らが、追加提訴によって原告団に加わるという事態になっており、漁業関係者の方々の危機感と怒りの強さを感じます。
また、佐賀地方裁判所が出した干拓工事中止の仮処分を破棄した福岡高等裁判所、ならびに先述の公害等調整委員会におきましても、
裁定とは別に、有明海の再生に向けた調査・研究が進められるよう求めていることは、皆様ご承知のとおりです。
そうした調査・研究のためには、原告漁業者らが一貫して求めてこられた「諫早湾干拓地潮受け堤防の中・長期開門調査」が有効であるというのは、多くの専門家も指摘されていることであり、ぜひ早期に行なわれるよう願います。
さて、有明海が抱える問題は、漁獲量の減少といった量的問題だけではなく、水産資源の質の低下といった面も重大であると思われます。
のりの品質を保つため、生産者の方々がかつての何倍もの努力を払われていることは先ほども触れましたが、私がお話をうかがったのり博士・太田扶桑男氏……この方は熊本県水産試験場の研究員をされていた時代、イギリスの海藻学者キャサリン・ドゥルー博士によるコンコセリスの発見をもとに、1955年に日本で初めてのりの人工種付け実験に成功し、のり養殖に飛躍的な進歩をもたらした功労者です。太田氏の業績は昭和天皇のお目にも止まり、三度もご説明役を務められたそうですが、八十七歳になられた現在も、在野の有明海研究家として海苔やプランクトンの研究などを続けておられ、有明海の変質に悩む漁業者の方々のブレーンとなって、研究支援や技術的な助言をされています。
この太田氏のお話によりますと、有明海の養殖海苔は、諫早湾干拓地で土壌改良剤として2万トンも使用された石灰の、海への流出により、細胞の異常分裂が起きるなどの被害を蒙っているそうで、私も太田氏がお撮りになった病態を示す多くの顕微鏡写真を拝見いたしました。多量の石灰の混入などによる水質の悪化によってDNAが傷つき、細胞分裂に異常をきたした海苔は、風味が悪いという、商品としては致命的な品質低下を起こすのだそうです。
また流出石灰の影響は、アサリ貝にも及んでいるとのこと。これは私も実際に有明海産のアサリ貝を食べてみて体験いたしましたが、貝の中に砂ではない異物が入っていて、噛むと砂と同じようにじゃりっという歯ざわりがいたします。これは石灰の小片で、砂とは違って砂抜きによって排出されません。真珠が生成されるような仕組みで貝の体内にとどまるので、そのまま人の口に入るということですが、これまた私も実際にその現物を見ました。
このところ調査のつもりで意識的に、有明海産のアサリを使った貝汁を食しておりますが、どうも5%近くの貝が、こうした異物を抱え込んでいるように感じます。
これは、有明海産アサリ貝の評判を悪くする品質低下といえると思いますが、魚介類の漁獲高の減少によりアサリ貝に希望を託しておられる漁業者の方々にとっては、由々しき問題といえるのではないでしょうか。市場では、安価な中国産のアサリ貝との品質競争を強いられているという現状もあります。
そこでお尋ねいたします。市の水産振興課では、こうした海苔やアサリの品質低下について、どの程度研究を進めておられるか。また問題解決には諫早湾干拓地からの石灰の流出を防ぐなど、干拓工事による環境汚染を解決する必要があるとされている太田氏のご研究について、どのような見解をお持ちか。さらにはどのような対策をお考えか、お答えください。
また、平成16年第1回定例会での島田議員の質問で触れられている「有明海がんばれサミット」の、現在の状況はいかがでしょうか。有明海の再生を目指す具体的な動きについて教えてください。
(答弁)
有明海再生を目指す施策について、3点のご質問にお答えします。
1点目の水産資源の質の低下に関する調査の進捗状況でございますが、本市では生産技術の指導を重点的に行っており、質については詳しい調査は行っていないところであります。
議員ご質問の諫早湾干拓の土壌改良剤に使用された石灰によるノリ・アサリ貝への品質低下でありますが、熊本県水産研究センターによりますと、使用された石灰と海苔養殖についての因果関係は特定出来ておらず、またアサリ貝の異物につきましては、二枚貝が本来もつ性質で、異物が体内に入ったとき自ら身を守るため貝自身の石灰質で取り囲む仕組みで出来るもので、諫早湾干拓工事の石灰との因果関係は不明とのことです。本市管内七漁協が共販納入する商社からもクレームは出ていないと聞いております。
また海苔共販事業を行っている熊本県漁業協同組合連合会では、ノリ品質は養殖から加工までさまざまな要因があり風味劣化の原因は今のところ分からないとのことであります。
2点目の諫早湾干拓地からの石灰流出と対策についてでありますが、まず石灰流出につきましては、国では諫早湾干拓事業中止を求めた平成15年7月10日提出の質問主意書に対して、8月29日閣議決定された総理大臣の答弁書では「施工にあたっては、生石灰の飛散防止を設定し、必要に応じ排水を処理する等の対策を講じていることから、地盤改良により調整池の水質ひいては諫早湾の水質に影響を与えることはないと考えている」との回答がなされているところであります。
次に、本市における今後の有明海再生の対策につきましては、ノリ養殖の技術指導の充実、覆砂および作れい事業によるアサリ漁場の造成や資源管理の指導等により、ノリ・アサリ生産の安定確保、品質向上に努めてまいります。
また併せて魚介類の生産向上も本市漁業の大きな課題であり、有明海4県共同クルマエビ放流事業や有用魚種の 種苗 ( しゅびょう ) 放流など、漁業者と一体となって水産業の振興を図ってまいります。
なお、本県のノリ研究の先駆者としてご活躍されております太田先生のご研究は、今後の本市の有明海再生の助言として役立てさせて頂きたいと思います。
3点目の「有明海がんばれサミット協議会」の現在の状況についてお答えいたします。
平成14年8月に設立された「有明海がんばれサミット協議会」は、現在、有明海沿岸の4県、40市町で構成されており、毎年、有明海の再生に向けて、調査、研究の実施や洪水時に河川から流入する多量の流木、漂着物の処分対策などを国へ要望し、また、パネルディスカッションや図画コンクールによる住民への広報、啓発を関係市町と共に行うなど、連携強化に取り組んでいるところでございます。
(返し)
諫早湾埋立地由来の石灰が、浮遊粘着物になって海苔網を汚すなどの被害を出していることは、太田先生の研究が証明している。長年のあいだ有明海を見つめてきた方のご意見に、きちんと耳を貸して欲しい。
Bヒートアイランド対策としての緑化推進について
生活実感として地球の温暖化を体感している今日、地球環境保全のための方策であるCO 2 の排出削減の必要性に逆行する現象として、世界的にも問題となっている都市部のヒートアイランド現象があります。現在その対策の一つとして、国において屋上や壁面の緑化を推奨し、熊本市でも平成 14 年から屋上緑化推進のための助成金制度を施行されています。
市のご努力による積極的な予算措置によって、この助成金制度の利用者は年々増加する傾向にあるとのことで、まちづくり戦略に挙げられてる、平成 20 年までに『街中に緑が多いと感じる』市民の割合を 80 パーセントに上げるという目標も、あながち夢物語ではないとも思われますが、一方で既存建物の屋上緑化には難点が多いなど、屋上緑化推進事業の進展には課題も多くあるように感じます。
そこでお尋ねいたします。助成指定区域内での現在までの事業の助成件数をお示しいただいたうえで、今後の見通しをご説明ください。
またヒートアイランド対策としての緑化事業を考えた場合、現在手がつけられていない駐車場の舗装方法にも、何らかの工夫が必要であるように思います。
一例を申し上げれば、城内プール跡地の暫定利用として整備された桜馬場駐車場ができて以来、広い面積にアスファルト舗装が施された結果として、隣接する御幸坂の体感温度がたいへんに上がっているという市民の声をいただいています。
ヒートアイランド対策を舗装の面から考えた場合、遮熱性舗装や保水性舗装などもメニューに上がりますが、これらは現状ではまだ値段が高く、強度の面でも問題があり、経済的にさほど負担が大きくないやり方として芝生方式が現実的であるとされています。
芝生はアスファルト面やコンクリート面と比較して、太陽光の強い反射を和らげ、目に穏やかであるばかりでなく、周囲の温度上昇を抑えたり、一定の高さに刈り込まれた芝生の均一な緑は、人に安らぎと開放感を与えるなど、さまざまな効果があります。
森の都『緑の都市』熊本を実現するため、民間施設にも同様の緑化努力を願うためにも、まずは市が率先する形で『緑の駐車場』作りを推進していただきたいと思いますが、市のお考えはいかがでしょうか。
また、土地の高度利用で緑化スペースが少ない市中心部において、平地式のコイン駐車場などが激増している中、総計ではかなりの面積を占める駐車場スペースの緑化は、考えてしかるべき課題であると思われます。
しかし民間駐車場については、許可申請などの手続きもなく、市では面積把握もされていないとのことですので、緑化指導などは難しいと思いますが、たとえば駐車場の緑化についても助成金を用意するといった方策は取れないでしょうか。
以上 3 点について、環境保全局長の答弁を求めます。
(答弁)
ヒートアイランド対策としての緑化について、3点のお尋ねでございます。
第1点目の屋上緑化の助成件数及び今後の見通しについてお答えいたします。
議員ご案内のとおり、都市部のヒートアイランド現象は、近年我が国でも大きな社会問題となっており、熊本市でもランドサット撮影の画像データ分析を行った結果周辺部に比べ中心部ほど気温が高いヒートアイランド現象が確認されております。
このようなことから、本市では、まちづくり戦略の一環として取り組んでおります都心部の緑化の推進として、緑化スペースが少ない中心部において、緑豊かな都市環境の形成やヒートアイランド現象の緩和を図るため「中心市街地活性化基本計画区域内」約270 ha の中で、屋上緑化等に対する助成制度を平成14年度から開始しており、平成16年度末の助成件数は10件となっております。
今後、平成20年度までに年間7件、合計38件を予定いたしており、目標達成に向け、さらなる普及啓発を進めて参ります。一方、住宅密集地である健軍地区などヒートアイランド現象が確認された地域に対しても助成対象区域の拡大ができないか検討して参ります。
第2点目の市有施設駐車場の緑化についてでございますが、現在、緑化ブロックの中に芝を植栽する方法による駐車場がアクアドームや動植物園、総合体育館などの施設に設けられております。
芝生方式の駐車場につきましては、ヒートアイランド現象の緩和及び緑の創出の観点から効果があると考えますので、関係部局にも働きかけて参ります。
第3点目の、民間駐車場の緑化についての助成制度導入についてでございますが、中心市街地にあります平地駐車場は一時的な土地の活用として利用されることが推測され、永続的に駐車場として確保されるかとの問題もあり、難しい面もあろうかと存じます。
しかしながら、緑が少ない中心市街地にある民間駐車場は、新たな緑の創出の場であり、貴重な緑化スペースでありますので、その緑化手法につきましては、先進事例等を参考に研究して参りたいと存じます。
(返し)
先ほど申し述べました桜馬場駐車場について、暫定施設という性格上いますぐ改善をとは申し上げにくい面がありますが、当面10年間ほどはいまの形で利用することになりそうな予測もあるようです。そこで、ヒートアイランド対策のモデル施設として、芝式駐車場への舗装の変更をお考えいただけないものか、要望として申し上げておきます。
また佐土原に計画が持ち上がっている大型店舗のような、広大な駐車場が計画される施設には、駐車場の全面芝生化を義務づけるような条例など作れないものかと思います。
C熊本市のISO14001に基づく取り組みの成果の広報と、エコアクション 21 の認証登録推進について
熊本市では、環境と調和したまちづくりに向けた取り組みの一環として、環境負荷の少ないエコオフィスを目指す環境管理システムを構築され、平成14年10月にISO14001の認証を取られて、市役所本庁舎と市役所別館、花畑町別館、古京町別館、教育委員会が入っておりますマスミューチュアル生命熊本ビル、選挙管理委員会があります住友生命熊本ビルの5分庁舎6施設を、対象サイトとして登録されています。
環境への負荷を極力抑えたエコオフィスの実現を目標として、昼休み時間の庁舎内の消灯やこまめな節水、印刷物の裏面の再使用、ごみの分別徹底によるリサイクルの推進や、環境負荷の少ない物品を調達するグリーン購入などの地道な努力を、職員の皆さんが一丸となって進めておられるわけですが、そうした努力がどの程度、市民の皆さんに知られているかは、はなはだ疑問です。
ISO14001に基づく取り組みについては、年度ごとに取り組み成果を公表することがシステム化されており、「エコオフィス活動実績」としてHP上でも報告されていますが、検索しても見つけにくく、また詳細な目標達成状況などの表は、字がたいへん小さくて読みにくいという難点があります。
せっかく多くの努力を払って取り組みをされているのですから、市民の方たちへも、もっと積極的に宣伝されたらいかがでしょうか。できれば、どなたにもわかりやすいように、「今年は電気代をいくら節約できました」といった、金額換算による報告がよいと思いますが、これには、頑張っておられる職員の皆さんの励みになるだろう点と同時に、ISO14001という世界基準による環境保全の取り組みを、市民の皆さんに具体的にご理解いただく手がかりになるという、啓発活動の側面も期待できると思います。
そこで、市政だよりに成果報告のコーナーを設けるなどの工夫ができないものか、ご見解をお尋ねします。
さて、環境問題は一人ひとりの心がけなくしては解決に向かいませんが、その心がけを事業所単位で実践しようというのがISO認証登録制度です。しかしISO14001は、認証登録のためだけでも500万円程度の費用がかかるということで、中小企業にとっては参加が難しく、より簡易な制度として設けられたのが、熊本市の「事業所グリーン宣言」の制度です。
市では平成1 1 年 11 月に「事業所グリーン宣言」の制度を創設し、平成 15 年から現在の形に変更して事業を実施されており、現在21事業所が登録されています。このうち19事業所は、平成 15 年の 4 月から 9 月にかけて再度登録をされたもので、平成16年の新規登録は1事業所、17年も現在のところ1事業所のみということで、登録参加は伸び悩み状態にあります。
これは、ISO14001と違って宣言登録は無料で行なえ、手続きや取り組みについてもあまり負担もなく、またグリーン宣言をすれば登録ステッカーがもらえて、市のホームページに公表してイメージアップするなどの点はありますが、事業所には具体的なメリットが少ないなどの問題があるからです。環境省では、この点を解決して環境保全活動に参加する企業を増やすため、昨年 10 月に「エコアクション 21 」という新しい認証・登録制度を創設しました。
これは国内基準による認証を行なうことで、ISO14001に準じる登録制度として社会的評価を期待できるとともに、認証登録にかかる費用がISO14001の十分の一ほどで済むという、中小企業などへの推奨がしやすいように工夫されたシステムです。
市は現在、「ISO14001」の認証を率先して取得され、市内の中小企業者に簡易版の『事業所グリーン宣言』の制度の普及を図っておられますが、先ほど申し上げたように、環境省では昨年より、手軽で評価の高いシステムとして『エコアクション 21 』の導入推進に取り組んでいるところです。
そこでお尋ねいたします。市としては、国際基準である「ISO14001」と、本市独自の環境管理システムである『事業所グリーン宣言』、そして環境省が推進する国内基準の『エコアクション 21 』という、3つの環境管理システムの普及・推進に、今後どのように取り組んでいこうとお考えですか。
また、その推進策としては、指定管理者制度による指定管理者に応募された事業者を、選別する際の評価項目に、ISO14001の認証取得と並んで、エコアクション21の認証登録をくわえることが考えられますが、市のお考えはいかがでしょうか。
この 2 点について、併せて市のご見解をお聞かせください。
(答弁)
ご案内のとおり、本市は、平成14年10月に市役所本庁舎及び周辺5分庁舎を対象に ISO 14001の認証を取得しており、計画・実行・点検・見直しの PDCA サイクルに基づく環境管理システムを継続して運用してきたところでございます。
この結果の、市民、事業者への広報としましては、現在、市のホームページにおいて、 ISO 14001の実績値や目標の達成状況を公表しているところでございますが、今後は、二酸化炭素排出量やエネルギー削減量を貨幣換算するなど、公表内容の充実を図るとともに、ご提案の市政だより等を活用した、わかりやすい形での公表と積極的な啓発に努めてまいりたいと考えております。
次に、エコアクション21の認証登録推進について追い答えします。
本市における環境マネジメントシステムへの取り組みといたしましては、率先的な対応として本庁舎等を対象に「 ISO 14001」の認証を取得しますとともに、平成11年度から、市内の中小企業を対象として本市独自の簡易な環境マネジメントシステムである「事業所グリーン宣言」制度を創設し、市内の事業者の環境保全活動の導入に取り組んでいるところであります。
また、議員のご案内のように、「 ISO 14001」や「事業所グリーン宣言」以外にも、中小企業にも認証を取得しやすい環境マネジメントシステムとして、環境省が、平成8年から登録制度として開始し、平成16年10月には認証制度に変更した「エコアクション21」であり、本年4月には本市に地域事務局が開設されたところでございます。
このように、本市においては、環境マネジメントシステムとして、国際的にも認められている規格であります「 ISO 14001」、国レベルで経費負担も小さく実質的な効果が期待できる認証制度としての「エコアクション21」及び企業における環境保全活動として取り組み易い本市独自の宣言登録方式の「事業所グリーン宣言」という3つの制度が併存しているところでございますが、それぞれに、取り組む企業形態に応じた制度の長所を持ち合わせているものと考えております。
本市といたしましては、事業者の意向等も踏まえ、それぞれの制度の特徴を活かしながら、企業における環境マネジメントシステムの導入に取り組んでまいりたいと考えております。
また、「エコアクション21」を指定管理者選定における評価項目に加えることにつきましては、「公の施設の指定管理者制度に関する指針」のガイドラインの中で、「環境保護等」の項目が評価する項目として示されており、この中に「 ISO 14001」と並んで「事業所グリーン宣言」が今年の7月に加えられておりますので、「エコアクション21」の認証取得につきましても取り入れるよう関係部局に働き掛けて参りたいと考えております。
D空港騒音問題から見た深夜貨物便就航計画について
まずは皆さん、世界的に見ても現在、有事下でない市街地型民間空港で、深夜航空便の毎日運行というのは行なわれていないことをご存知でしょうか。
在日米軍基地でさえ、市街地に立地する航空施設では、深夜発着の毎日運行はしていません。これは、周辺住民への甚大な騒音被害が予測されるためです。
熊本空港に深夜貨物便が定期就航すれば、市街地型空港の夜間利用が容認される、日本で初めての例となります。
ちなみに、すでに深夜便を運行させている千歳・佐賀空港は、航路下にはほとんど住宅がありませんので、比較対象とはなりません。
深夜貨物便の就航が再浮上してきた場合、中核都市である熊本市の、人口密集地域の上空に飛行ルートを持つ熊本空港が、深夜貨物便を毎日運行するということは、多くの市民の安眠が妨げられ健康被害の発生が予想される、熊本市の環境問題としては戦後最大級の大問題の一つであると、わたしは認識しています。
また同時に、これまで熊本市内での航空機騒音問題が、あまり大きく取り上げられてこなかったことに、環境行政の問題点を感じます。
さて空港管制塔への調査によりますと、熊本空港の航路は、空港から健軍・有明海へと発信されている ILSS 電波ラインの直進ルートか、大津町方面に設置されている航空灯火を使う旋回ルートで構成されています。
羽田便の場合、有明海上空で一旦旋回した後、低空飛行となり、直進か旋回コースで着陸態勢に入ります。離陸時は着陸と逆の方向で離陸し、御船町・山都町上空へとぬけます。 航空機の高度は 1000m 以下の低空飛行を熊本市南部地区で開始し、空港より半径 12km 圏の水前寺・黒髪地区では高度 653 mとなり、 10 km圏の月出・武蔵地区で 544m 、 5km 圏の戸島町で 272m となります。これに比例して、深夜便のテスト飛行時の騒音値も水前寺で 68.5dB(A) 、月出で 71.5dB(A) 、戸島で 72.7dB(A) と増大していました。
また昼間の航空機騒音についても、 戸島・小山等の東部地区、龍田・武蔵・託麻等の北東部地区で、 TV の音や会話が聞こえないなどの深刻な騒音被害に悩んでおられる声を耳にします。
直進と旋回の二つのルートにより、熊本市のほぼ全域が航路下となりますが、空港より半径 10km 圏内に住んでいる熊本市民は約 24 万人、また深夜便テスト飛行の騒音測定で約 70dB(A) を記録した水前寺地区などがある、 12km 圏内までを計算に入れるなら、被害人口は更に拡大します。今ここにおいでの皆さんの中にも、じつは航空機 騒音にお悩みの方が多数おられるのではないでしょうか。
しかし熊本空港の場合、「うるささ指数」による騒音公害補償の対象となる住民は、わずか3戸だけです。
「うるささ指数」は年間を通じて騒音測定器を設置し、定点観測した昼夜間毎の測定値に加重等価した公式で出されます。
騒音測定器は一定時間内で、周辺の音の中で最も高い音を騒音として検出します。その結果、 1分間だけ 75 d B 以上の音がしても、それ以外の時間は静かであった場合、うるささ指数上は騒音とみなされず、環境基準値をクリアします。
実際、今年 2 月に実施された深夜便のテスト飛行で、騒音測定値では 75 d B(A) あった菊陽町曲手の、「うるささ指数」の推定値は 69 . 0 となり、環境基準値70を下回りました。
これがどういうことか具体的にご説明しますと、騒音から生活を守るため防音対策をしようとする場合、 30 坪平屋建ての木造住宅を 2 重サッシにするだけで最低 100 万円以上かかりますが、環境基準はクリアしているので国には責任がなく、防音工事の費用は市民の個人負担となるということです。
さて、 WHO は 1995 年に環境騒音のガイドラインを示し、昼間の騒音については、等価騒音レベルで 40 d B(A) を超えると、健康被害だけでなく、学力低下・作業能率低下がおきるとし、平常の静かさと騒音値の差を 35dB(A) 以下にする必要性を示しています。
一方、夜間の騒音については 30dB(A) から測定可能な睡眠影響が表れ、 静かな住環境の場合、平常の静かさと騒音値の差が最も問題となるため、この差を等価レベルで 30dB(A) 以下に留めるべきとしています。
健康被害については、 65dB(A) 以上の単発騒音を昼夜を問わず長期に浴びることで、ストレスホルモンが増加し、代謝異常や心臓等の循環器系に悪影響を与えるとしています。特に、間欠音による睡眠妨害は、全体的な等価騒音レベルが低くても、高い最大騒音レベルの騒音が一瞬でも発生すれば、睡眠に影響が生じるため、単発騒音の最大騒音レベルが 45 d B(A) を超える騒音を制限すべきであるとしています。
こうしたことからまたWHOでは、睡眠妨害には、等価騒音ではなく最大騒音レベルを、環境基準値として採用すべきであると提言しています。
つまり、深夜貨物便就航問題において、瞬間的な大音量を発生させる航空機騒音が、人に与える影響を測る環境基準として「うるささ指数」を用いることは、WHOの見解に則れば不適切です。国にはぜひ環境基準を見直していただきたいと思います。
また一方 、国交省航空局発表の平成 15 年度の離発着資料によれば、熊本空港は臨時便等も含めると 1 日に約 100 便もの航空機発着が行なわれている、日本有数の地方空港です。夜間のみならず昼間の航空機騒音問題についても、問題提起をする必要があります。
以上のご説明を踏まえて、お尋ねします。
現在、熊本市内での航空機の騒音測定は、市内何箇所で、どういった頻度で実施されていますか。測定主体は国もしくは県であろうと思われますが、市でも定期的なデータ把握などをされていますか。具体的な観測地点名を含めてお答えください。
また先般の 深夜便のテスト飛行時の騒音測定は、直進ルート下にあたる市内6地点で測定が行われたにも関わらず、戸島町を除く地区には、騒音値の情報公開や住民説明会は実施されませんでした。しかし、水前寺六丁目で 69.9 デシベル、月出一丁目で 72 . 8 デシベルと言った、高い数値が観測され、航空機騒音は戸島地区だけの問題ではないのは明らかです。
そうした点からしまして、直進ルート下の熊本市南部地区・東部地区、旋回ルート下にあたる北東部地区の航空機騒音について、定期的な騒音測定と情報公開が必要と思われますが、ご見解はいかがでしょうか。
さて深夜貨物便就航問題を契機に、熊本空港周辺環境整備協議会が設置される運びになり、熊本市もこれに参加されることは、熊本空港に由来する航空機騒音公害への取り組みの第一歩となるのではないかと期待をするところですが、この会議は、騒音問題の直接の関係者となる住民の皆さんに、公開された形で開かれる必要があると思います。会議の公開・非公開の方針はいかがでしょうか。
また熊本空港周辺環境整備協議会に参加する地区名と参加地区の募集基準を教えてください。
さらに空港環境対策事業関連費用として、近頃 1 億 5 千万円ほどの予算が県に措置されたという情報がありますが、これについて市には何らかの打診がありましたか? 具体的な打診内容も含めてお答えください。
また今後再び深夜貨物便の就航が申請された場合、市は就航について賛否いずれの立場を取られますか。方針をお示しください。
先日、戸島町の中学生に飛行機の騒音に関して尋ねたところ、「学校の授業が聞こえない程うるさい。」という返事でした。
ちなみにテスト飛行で観測された 70 デシベルという音量は、電話が鳴る音ぐらいといわれます。深夜便が一往復就航すると言うことは、毎晩、深夜に 2 度電話が鳴る生活を強いられる、というふうにお考えいただくと、被害のほどがイメージしやすいと思います。
昼間、何度も強い騒音を浴びた上、深夜にも飛行機の爆音で覚醒する環境は、あまりにも過酷です。
住民の生活を守る立場にある熊本市行政は、市民の住環境の保全に取り組む責務があります。熊本空港の騒音問題について、市は、国・県・航空会社に対し、住民サイドに立った積極的な交渉と情報公開で市民生活を守る努力をすべきと思いますが、担当局長のお考えはいかがか、ご答弁を願います。
(答弁)
夜間貨物便就航計画に関連しますご質問について私のほうからお答えいたします。
まず、一点目と二点目の、騒音測定と情報公開についてお答えします。
航空機による騒音につきましては、県において測定されているところであり、固定測定局の6局については常時測定し、毎年定期的に公表されております。市域においては、県営西戸島団地と日向上公民館の2箇所に設置されており、平成15年度のいわゆる「うるささ指数」は、それぞれ、61.3と67.5であり、環境基準値の70.0と75.0を下回っております。
また、ご提案の直進ルート及び旋回ルートにおける定期的な騒音測定と情報公開につきましては、地元の要望を踏まえ、近く開催予定の熊本空港周辺環境整備協議会を通じて要望してまいりたいと考えております。
三点目の、熊本空港周辺環境整備協議会につきましては、関係市町村及び地域住民代表などで構成されることとなっており、現在、熊本県においてその開催方法を含め、準備が進められております。また、協議会開催の前段で住民要望について意見交換する場として市町村毎に部会を設置することとなっており、その中で地元の要望等を聞いてまいりたいと考えております。
協議会の対象地区については、託麻東校区を対象とする予定であります。
県の予算措置につきましては、騒音測定に関する予算が9月定例県議会に提案されているということであり、財団法人空港環境整備協会の助成制度や備品寄贈制度に関する要望につきましては、現在、県より照会があっております。
四点目と五点目についてでありますが、再度の夜間便就航への賛否につきましては、先般の計画時にも、県の説明会開催にあたり住民要望に配慮していただくよう要望したところであり、今後の対応につきましては、地域の住民の不安、就航の影響と効果などを十分勘案いたしまして、市民全体の利益となるよう、県を通じて要望してまいりたいと考えております。
定期的な情報提供につきましては、国の権限に関わることであり、また、空港周辺の各町村にも関わることから、県を通じて、必要かつ適切な方策をとっていただくよう要望してまいりたいと考えております。
(返し)
ところで、 9 月 19 日の深夜 0 時に俵山トンネルの展望所から、熊本空港の滑走路が帯状に輝き、緑色の航空灯火が点滅しているのが見えたそうです。また最近の話として、深夜 0 時から 3 時に航空機の離発着音で目が覚めたという話を、市民の方から聞きました。
新たなテスト飛行のニュースは聞いていませんので、いったい誰が飛んでいるのか謎です。自衛隊機が夜間飛行訓練でもやっているのでしょうか? 市のほうで調べがつきましたら、情報をいただけますと幸いです。
Eその他
看板・広告物の落下防止対策について
福岡西方沖地震や東京でのビル事故などの教訓で、ガラス窓の破砕落下や壁面落下についての対策は進んでまいりましたが、都市生活の中での災害被害を考えた場合、町中いたるところに見られます、ビルの外壁や屋上などに取り付けられた、看板や広告物の安全性というのも気にかかります。
地球温暖化の影響で台風が大型化し、またかつてない 10 個もの台風が日本列島を襲った昨年の例が、今後も例外である保証はない状況の中、豪雨による水害や土砂災害のほかに、強風による災害への備えも考えておかなくてはなりません。
構造材が経年劣化した看板などが、市民の安全を脅かすことがないような対策というのは、何か採られているのでしょうか。
担当局長のお答えをお願いいたします。
(答弁)
屋外広告物の落下防止対策についてお答えいたします。
屋外広告物の設置については、「熊本市屋外広告物条例」の許可が必要であり、同条例では屋外広告物の適切な管理が行われるよう管理者を置くことが定められています。
また、設置された屋外広告物は、3年毎に屋外広告物の更新許可が必要であり、その際に本市では、管理者による屋外広告物の錆、腐食等の安全点検報告を求め、安全確認を行っています。
これからも、屋外広告物の良好な維持管理が行われるよう、屋外広告物の所有者又は管理者に安全点検を指導して参ります。
原子力発電所の事故に対する備えについて
熊本県内には原子力発電所はありませんが、佐賀県玄海町にあります玄海原子力発電所、鹿児島県川内市にあります川内原子力発電所は、いずれも熊本市との直線距離は 100 キロ程度という近隣にあります。
このうち川内原子力発電所の原子炉は、 1 号機が 1984 年の運転開始、 2 号機が 1985 年ということで、まだ 20 年ほどの施設ですが、玄海原発の 1 号機は昭和 50 年( 1975 年)の運転開始で、原子炉の耐用年数といわれている 30 年を超えようとしています。
九州電力では、高経年化への対策は万全であり、安全性に問題はないと説明していますが、事故というのは思わぬところで起きるものであり、もしものときに起きる事態については、 1986 年 4 月に起きたチェルノブイリ原発事故が教訓を与えてくれるところです。
熊本市では市民の生命と財産を守るため、防災対策には多くのエネルギーを割いておられますが、玄海もしくは川内で原発事故が起きたときの備えというのは、どのようにお考えでしょうか。
チェルノブイリ事故では 300 キロも離れた地域にまで高度の汚染が見られたという放射能汚染の問題、あるいは原発周辺から避難してこられる被災民の方々の受け入れ対策など、最悪の事態を想定した調査・研究が必要ではないかと思います。
担当局長のお考えをお聞かせください。
(答弁)
原子力発電所の事故に対する備えについてお答えいたします。
原子力施設の安全対策は、国の責任において施策と実施がなされるべきと認識しており、原子力発電所などで事故が発生し、その影響が周辺地域に及び、または及ぶおそれがあるような緊急事態に備えての必要な対策が「原子力災害対策特別措置法」に基づき定められております。
しかしながら、市民の生命、身体及び財産を守るため、原発事故のみならず、多様化しております危機への対応は、市の責務であると認識しているところでございます。
今後、国や他の自治体における安全性の確保に関する具体的な方法、対策等を参考にしながら調査研究に努め、危機管理体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
(返し)
原発事故を考えた場合、まず思うのは、適切な避難に必要な情報が、住民にたいして正確かつ迅速に提供される体制が作られているのかという心配です。国も電力会社も常日頃、原子力発電所の安全管理は万全だ、事故は起きないと宣伝していますので、もしも事故が起きた場合、まずは隠蔽の方向へ動くのではないかと危ぶみます。
また万一、熊本市が原発事故の被災者を受け入れる事態になった場合、放射能に汚染された状態の被災者に対する洗浄対策や隔離対策など、原発事故ならではの特殊事情が発生することを考慮しておかなくてはなりません。また一方で、市民に対する警報を行なうために、空気中の放射能濃度を測定できる体制も必要でしょう。
国による安全神話が行き渡り、原発事故などというのは宇宙人の来襲とおなじ程度にSFチックだとお考えの方が多いと思いますが、あってはならぬがないとは言えないと、わたしは思っています。危機管理の基本である「最悪の予想」を持って、鋭意ご研究ください。
以上をもちまして私の一般質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。