ひろせ賜代ホームページ
文書棚
平成17年第3回定例会 保健福祉委員長報告 質疑草稿と報告

17年第3回定例会 保健福祉委員長報告 質疑草稿と報告

2005 年 9 月 30 日

 一歩の会の廣瀬賜代です。

 去る21日の私の一般質問で取り上げました『(仮称)新生児期母子サポートセンター』について、保健福祉委員会でより具体的な提案が行われたとのことですが、その内容を拝聴しましたところ新たな疑問が湧きましたのでお尋ねいたします。

 先程の上野議員の質疑により、サポートセンターの中心的業務である訪問事業が、多くの矛盾をはらんだ非常なる無駄であると言うことがわかりましたが、市の ( 仮称 ) 新生児期母子サポートセンター構想によりますと、サポートセンターの業務は 4 つ挙げられています。母子訪問のほかには、『来所相談・電話相談』の相談受付業務、『日帰り産後ケア』、『母乳育児の啓発や研修』となっており、職員 9 名のうち 6 名が母子訪問にあたるとなれば、相談、日帰り産後ケア、啓発・研修という残り三つの業務は、事務員を除けば 2 名しかいないスタッフが引き受けることになります。

 そこでお尋ねします。

 この 2 名で実施しようとしている「来所・電話相談」「日帰り産後ケア」「啓発・研修」の業務量は、それぞれ 1 ヶ月にどの程度と想定されているのでしょうか。

 また相談業務につきまして、 ( 仮称 ) 新生児期母子サポートセンターになった場合、年間の稼働日数は何日になりますか。年間に何時間、相談を受けることができるのでしょうか。

さらに日帰り産後ケアについて伺います。今年 3 月に発表された「『赤ちゃんとお母さん・お父さんの安心づくり』のためのアンケート調査」の「育児支援に関すること」の項で、「出産後、体調が悪いとき、入所できる医療機関が必要と思うか」との設問に対して、 9 割の回答者が「必要である」と答え、そのうち 48 %の方が宿泊型の入所を望んでおられます。宿泊入所を望む約半数の方に対して、日帰り入所しかできないサポートセンターで、どのように応えるのでしょうか。

また医療行為を伴う相談については、サポートセンターではどのように対応されるおつもりですか。

 以上 4 点につきまして、健康福祉局長の答弁を求めます。

(健康福祉局長答弁)

1 点目の「来所・電話相談」「日帰り産後ケア」「啓発・研修」の業務量でございますが、相談業務は現在の産院での相談実績から、もっとも多かった月の件数を見ますと電話相談件数が 45 件、母乳外来が 42 件でございますので、多く見積もりましても、電話相談が月平均 50 件、日帰り産後ケアは月平均 40 件程度と想定いたしております。

 また、啓発・研修につきましては、訪問や産後ケアの中で行なうことをはじめ、各保健福祉センターで開催しております母親学級や育児学級などを活用して、月 1 回程度実施する計画でございます。

2 点目の相談業務の稼働日数でございますが、週 1 回の休館日と年末年始以外は稼動しておりますので、平成 17 年を例にとりますと 279 日が稼働日数となります。

 また、開館時間が午前 8 時 30 分から午後 9 時まででございますので、 1 日の相談受付時間は 12 時間 30 分となり、年間の相談受付時間は 3487 時間でございます、

3 点目の産後ケアでございますが、まずは費用負担の少ない気軽に利用できる日帰り産後ケアを実施して参りたいと考えております。

 なお宿泊型の産後ケアにつきましては産科医療機関での拡大を目指してまいります。

4 点目の医療行為を伴う相談ということでございますが、サポートセンターで、まずはすべての相談に対応し、衣料が必要な場合につきましては、市民病院をはじめとした医療機関への紹介等により対応することといたしております。

(廣瀬質疑)

 現在産院では、母乳外来と言う形で、 ( 仮称 ) 新生児期母子サポートセンターが謳う日帰り産後ケアとほぼ同じ内容のサービスを提供しています。昼間は 10 名の看護職員が勤務しているので、他の業務が忙しいときでも、来所者への対応がやりくりできるとのことですが、これが、常駐する看護職員はたった 2 名と言う ( 仮称 ) 新生児期母子サポートセンターの体制になった場合、果たしてどうなるのか。

そう考えて、想定業務量をお尋ねしたのですが、産院では 10 名の体制だからやりくりがつけられる仕事量を、たった 2 名の体制で、しかも時間帯によっては 1 名しかいないと言う体制の中で、同じように引き受けられると想定されていることに驚いております。

ちなみに母子サポートセンターの開所時間は、午前 8 時半から夜 9 時までとのことですから、職員は 2 交代制になると思われますが、そうしますと、センターに常駐する看護職員は 1 名になる時間帯もあると言うことになります。

また日帰り産後ケアは、乳房マッサージや授乳指導、沐浴などの育児技術の実地指導などを内容としていますので、一組の利用者に対して少なくともスタッフ 1 名が張り付くことになるでしょう。

そこへもってきて、相談電話がかかります、来所相談にもこられます。いつ何時どういった利用者があるかはランダムです。しかも対応できる常駐職員は 2 名ないし 1 名しかいません。

こうした体制でほんとうに、来所や電話での相談業務を全うしつつ、日帰り産後ケアまで実施することができるのでしょうか。

 人的体制が充分でないために、利用者は利用したいときに利用するというわけにはいかず、サポートセンターの都合に合わせることになるといったことも予想でき、いつでも駆け込める産院と比べたサービスの低下は明らかですが、こうした体制の不十分さへの指摘を、市長はどのように受け止められたでしょうか。

 相談業務の受付延べ時間にしましても、産院が市民病院と同じく 365 日 24 時間の受け付け体制をとっている現状と比べて、大幅なサービス後退となることが明確になりました。現行では 365 日 24 時間、年間8760時間の受付であるものが、その半分にも満たない3487時間に減るのですから、むしろ窓口が閉まっている時間のほうが長いという状態になります。

また、サポートセンターでは休業時間となる深夜の時間帯に、産院ではかなりの数の電話相談を受け付けています。保健福祉委員会に提出された資料によると、昨年 11 月から今年八月までの間に、産院が電話相談を受け付けた 168 人の内、 44 人、じつに相談者の4人に1人が、サポートセンターは閉館している午後 9 時から午前 8 時半までの間の時間帯に、相談電話をかけてこられています。そこには、夜のしじまの中で心細さを募らせ、追い詰められた思いでSOSを発してくるお母さんたちの姿が垣間見えます。

産院が廃止されて相談業務がサポートセンターに移行すれば、こうした方々は切り捨てられることになります。

しかもこうしたサービスの後退あるいは切り捨ては、サポートセンター運営のために 9000 万円もの予算が投下されたうえでの話ですから、市民は二重のデメリットをこうむることになります。

( 仮称 ) 新生児期母子サポートセンターでの日帰り産後ケアは、現在産院が行なっている母乳外来や育児指導以上のメリットをもたらすものではありません。また医療機関に宿泊入所しての産後ケアを希望する人たちに対して、産院は現在受け入れを行なっていますが、産院を廃止してサポートセンターに移行したあとのことについては、市は民間産科医療機関の採算を度外視した頑張りに期待する以外、何の方策も持ってはいません。

またサポートセンターを頼られた方が、医療行為を伴うケアを必要とした場合は、よそへ行っていただくしかない。母乳のトラブルでは、乳腺炎などの治療を必要とするケースが多いことは、これまでの相談実績からわかっており、産院には医師がおりますのでその場での対応ができていますが、サポートセンターには最初からたらいまわしを前提とするような体制しか用意してありません。

このように、どの点を取っても、現在産院が提供しているサービスよりもうした大変に不親切なサポートセンターなど、わざわざ設置する意味があるのでしょうか。

 こうして突き詰めてまいりますと、市の産院見直し案で、産院廃止後の代替施設として提案されている ( 仮称 ) 新生児期母子サポートセンター構想には、多くの見直すべき点があります。

 どの点をとっても、現在産院が提供しているサービスには遠く及ばず、形ばかりのことしかできないサポートセンターをもってして、「産院が培ってきた『赤ちゃんにやさしい医療、技術』の提供の拡大」を図るというのは、たちの悪い寝言としか思えません。

これをこのまま強行すれば、市は、多額の税金を投入してまで設置する意味はない施設を、市民に押し売りすることになり、しかもその代償として市民は、世界水準にある周産期母子医療の拠点である『赤ちゃんにやさしい病院』市立産院を失うという、重ね重ねのデメリットを負わされることになります。

そこで市長にお尋ねします。

 市では、産院の廃止条例案と、 ( 仮称 ) 新生児期母子サポートセンターの設置条例案を、次の 12 月議会に提出するべく準備されているようですが、産院の廃止に反対する多くの市民の声や、サポートセンター構想に対する議会内からの多くの疑問の声は、すでに充分お耳に届いているでしょう。

 また私達の反対理由を、何一つ理論的に論破できないでいることへの自覚もおありのことと思います。

 それでもなお、現在の産院見直し案に固執されますか。いまお持ちの案が、熊本市の母子保健を向上させ『日本一子育てしやすいまちづくり』の実現に役立つベストの選択であると、断言なさいますか。

 民間産科医や助産師の声も含めた、存続を求める多くの声を無視して、あくまでも産院の廃止にこだわられる理由は、本当の理由はなんなのですか。

 過去の答弁の繰り返しは省いていただき、これこれだから産院は廃止しなければならないのだ、という形でのストレートなお答えをください。

(市長答弁・概略)

 わたしはいつも本音でお答えをしてきたつもりです。産院の廃止につきましては、廃止ではなく市民病院との統合を行なう「見直し」であると申し上げてきているところです。熊本市の母子の幸せのためには、この見直し案を推し進めることがベターであると考えまして、皆様のご理解をお願いしておりますところです。

(廣瀬返し)

  先日の一般質問での答弁で、市長は、市長と私達とのこれまでのやり取りをキャッチボールと表現されましたが、正直なところ私は、キャッチボールと言うよりもドッジボールをやっているような心持です。投げたボールは、かわされるばかり。

ページの先頭へ


戻る
 
トップページへ