これまでの市の説明を焼き直しただけの、説得力に欠ける回答であること。
具体的に申し述べれば、回答の1)については、市の取り組みを主観的立場から列記したにとどまり、それらがどういった成果を挙げたかという客観的な分析説明などがないために、単なる手前味噌の宣伝としか読めません。
たとえば、熊本県が平成16年に発表した『熊本県乳児死亡率改善対策事業報告書』の第3章「妊娠中の生活と健康に関する調査結果」中の『妊娠中の生活と健康に関する調査について』では、調査結果から分析した「6、ソーシャルサポートの状況」の中で、病院や保健所、保健センターの専門家のサポートについて、「都市部以外のほうが都市部よりサポートを受けていた」としており、すなわち県内の都市部に当たる熊本市では、サポートのレベルが低いという結果が述べられているわけですが、市ではこうした調査結果を踏まえて今回の回答を出されたのか、はなはだ疑問です。
市に都合がいい情報だけを出すやり方は、大本営発表とおなじ手法の情報操作であり、幸山市長が目指される「市民と行政の情報の共有」とは逆行します。
市政だより8月号の『産院見直し』記事への抗議でも申し上げたこの点が、今回の回答に反省として反映されていないことは、まことに残念です。
質問に対しての答えになっていない回答が多く見られる、誠意の薄い対応であること。
具体的には、質問3に対する回答3は、わたしたちの問いにまったく答えていません。
わたしたちの質問は、市が提案している新生児期母子サポートセンター(仮称)の役割の大方は、現在すでに市立産院が提供しているサービス内容であり、しかも現行では年中無休・24時間の医師も含めた体制で相談を受けて医療サービスも実施しているが、市のサポートセンター案ではこれが大きく後退する。
現在の赤字額と同額の予算を打ち込んで、しかもサービスは低下するというデメリット案を、なぜ市は強行しようとするのか……という趣旨でした。
これに対する市の回答は、サポートセンター案の繰り返し説明と、市民病院で24時間の相談を受け付ける(現行どおり)ということのみで、わたしたちがお尋ねした『市民に与えるデメリット』については何の言及もありません。
いわば体よく説明を回避しているのが、この回答3の内容です。
また質問4に対する回答5では、産院の医療機能が廃止されることへの、地元住民の同意は得られたと考えているのか、という趣旨の問いに対して、論点のずれた説明をしているだけで、これまた回答になっていません。
さらに、産院の研修機関としての機能を取り上げて、代替受け入れ先のメドは立っているのかを尋ねた質問6に対し、回答7は、「市民病院においても『可能な限り』受け入れる」「広域的に調整されるべきものと認識」という、じつに無責任な答えとなっています。
この無責任さは、回答6の「産科医確保は国が考えているから」という逃げにも現れていて、地域住民の保健福祉のために、市でできることは市で努力しようという、自立した地方自治の考えがまるで見えません。まして、いま果たしている役割を放り出すことに納得が得られるような説明にはなっていません。
回答8は、質問1と7にを二つまとめてお答えいただいているものですが、存続を求める6万人の声をどう考えているのか、という点には触れていません。
総体として、今回の公開質問状への回答は、都合の悪いことには口をつぐみ、
『説明責任』をはき違えている、市政だより8月号の特集記事とまったく同様の過ちを繰り返しているものであると指摘せざるを得ません。
よって九月に開催される第3回定例市議会の一般質問で、再度くわしく質問させていただきますので、市長が言われる『公の場での正々堂々の議論』となりますよう、こんどこそ逃げやごまかしのないご返答をお願いいたします。
なお、公開質問状を提出するきっかけとなりました、市政だより8月号の『産院見直し』の記事について、ことに市内の民間産科医療機関が提供している母乳指導などの医療サービスやサポートに対する市の認識は、まったく実態を捉えていないという批判が、助産師や民間産科医療機関での出産経験者から多く寄せられていることを申し添えます。