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「市立産院問題」に関する公開質問状

熊本市長  幸山 政史 様

「市立産院問題」に関する公開質問状

           2005年8月10日

熊本市議会議員
  上野 美恵子
    北口 和皇
    廣瀬 賜代
    益田 牧子

 「市政だより」8月号に3ページにわたって掲載されている、市立産院の見直し案を紹介した特集記事は、市民を誤解させ、判断を誤らせる部分が多々あり、遺憾であることから、先日抗議したところですが、「市政だより」は市内に全戸配布されるため、市民の政策判断に与える影響が大きく、正確・公正な情報提供がなされなければなりません。しかしながら、この間の議会論議をまったく無視したとしか受け取れない内容になっていますので、とりわけ納得の行かない点につき以下のとおりお尋ねいたしますので、あくまでも 6 月議会の論議を踏まえる立場で、市長のご見解をお示しください。

  1.  熊本市の早期新生児死亡率・新生児死亡率の高さを訴えて、「高度な医療体制を強化することが緊急の課題」と主張されていますが、新生児死亡率が高かった最大要因は、早い時期の早産増加に伴う超未熟児の出生増にあります。超未熟児が生まれた場合、高度医療が必要となり、加えて生涯にわたる障害を残す場合も多く、それは、公的医療や福祉の負担となるだけでなく、生まれてきた子ども自身とその家族にとっても生涯にわたって大きな物理的・精神的負担を負わせることになります。ですから、超未熟児が生まれた後の対応はもちろんですが、それ以上に、超未熟児を生まないような妊娠期の適切なサポート、「早産の予防」がきわめて重要だと考えます。熊本市における新生児死亡率の高い原因と対策、ならびに、新生児死亡率が高い要因となっている早期早産の予防の重要性について、市の見解をお答えください。

  2.  ユニセフ・WHOの「赤ちゃんにやさしい病院」認定には、出産1ヵ月後の母乳率が90 % 以上であるなどの厳しい基準があり、民間医療機関が母乳育児・母子同室などに取り組んではいても、一朝一夕にしてその認定を受けることはできません。だからこそ、その資格を持った病院が全国4000の産科医療機関のうち、34施設しかない、平均しても1都道府県1ヵ所すらないのです。母乳育児推進の役割を持っている市立産院が廃止されれば、この貴重な資格を持った病院を1ヵ所失うことになりますが、これは本市の母子医療・母乳育児推進にとって大きな損失です。認定施設が拠点とならなければ「赤ちゃんにやさしい病院」の認定は広がりませんので、現在日本母乳の会が中心になって、母乳育児推進の拠点となる「赤ちゃんにやさしい病院」の認定施設を増やす取り組みに力が注がれています。市民病院が認定を受けているから、市立産院は廃止してもよいということは決してありません。「赤ちゃんにやさしい病院」としての市立産院を残し、さらにそこを拠点としてこそ、ユニセフ・WHOが目指す母乳育児の推進が図れるのではないでしょうか。

  3.  市立産院を残して、「新生児期母子サポートセンター」整備など、新しい計画を実施することは財政的に無理であるという主張をされていますが、今回提案の新生児期母子サポートセンターで実施しようとしている、母乳育児に対するケア、産後欝への対応も含めて母親へのケアなどの事業は、すでに市立産院では、産院で出産しなかった方も含め、門戸を開いて実施しています。ですから、「新生児期母子サポートセンター」に新たな予算約9000万円をつぎ込むことなく、市立産院を存続させることで充分対応できます。むしろ、「新生児期母子サポートセンター」に移行すれば、医療行為を伴う多くの相談業務ができなくなるばかりか、現在実施されている365日24時間体制のサポートもできなくなり、大きなマイナスです。いかがでしょうか。この点の違いをなぜ市政だよりには掲載しなかったのでしょうか。

  4.  地元向山校区住民から、これまで市立産院で受けていた子宮がん検診などは、市立産院で引き続きうけることができるのかとのお尋ねについて、今回の見直しが実施されればガン検診はできなくなると思われますが、いかがでしょうか。地元とのコンセンサスは取れているとお考えですか。反対があっても、無視されるのでしょうか。

  5.  6月議会でも、論点のひとつとなりました、産科医療機関の地域的な分布の問題について、市立産院がなくなれば、南部保健福祉センターの管轄内に産科病院はなくなります。出産を扱う診療所も8月から1ヵ所なくなり、 3ヶ所しか ありません。市のアンケート調査でも出産する医療機関を選ぶ理由の第1は、「自宅・実家から近い」ということです。産科医療を地域の視点から見たとき、市立産院の廃止は南部地域において大きな損失であると思われますが、市のご認識はいかがでしょうか。また、現在小児科とともに、産婦人科医の不足が社会問題となっています。熊本市において母子医療を担う産婦人科医の今後の見通しについてお示しください。

  6.  現在、市立産院は医師や助産師・看護師などの研修の場として多くの学生を受け入れています。「市政だより」の特集記事では、市民病院・民間病院でも受け入れ可能と記載されていますが、市立産院がなくなった場合、その受け入れ先のめどは立っているのでしょうか。研修機関として、市立産院が果たしてきた役割を後退させないつもりはおありでしょうか。そうであれば、その具体的な内容をお示しください。

  7.  現在、6万人を大きく超える方々が市立産院の存続に署名されています。これまで、さまざまな問題で、市に対し6万人もの署名が届けられたことはありません。6万筆を超える存続署名はどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。過去に例のない6万人の署名を無視してでも市立産院を廃止しようというのであれば、その理由はなんでしょうか。

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