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11月10日〜11月12日
10日 姫路市 男女共同参画センター『あいめっせ』
姫路城
11日 金沢市 教育プラザ富樫
金沢 21世紀美術館
■ 姫路市男女共同参画センター『あいめっせ』
駅から程近く、姫路城の全景が眺望できる一等地に建てられた、総工費220億円の再開発ビルの4階にあり、大小の会議室を中心とした施設。1階2階は民間の商業スペースで、複数のレストランなどが入り、3階には国際交流センターが置かれている。
お城に面する正面側は全面ガラスの壁になっていて、エスカレーターで上がっていくにつれて、国宝にして世界遺産にも指定されている姫路城の全容が眺められる。
外国からのお客を『交流センター』に案内すると、同時にお城自慢もできることになる。
『あいめっせ』と、同様の施設である『熊本市女性センター』との差異は、@市の中心部に程近く、地の利に恵まれている。(女性センターは交通が不便)A市民活動を支援するために用意されている、専用スペースの無料利用や会議室の優先使用(一般の半額)ができる『登録団体』制度には、「5名以上の団体であること」といった条件以外、年間の登録団体数の制限や、優先を受けられる年数が規定されているといった制限はない。(女性センターでは登録制限あり)B託児サービスについては、受け入れ可能人数や、保育者は臨時雇用でまかなっている点など、『女性センター』の現状と共通する点が多い。
Aについては、両市の人口規模の差が関係しているかもしれない。(姫路市=約 48万人/熊本市=約67万人)
Bについては担当者も気にかけておられるふうで、共通する課題と思われた。
■ 世界遺産に指定されている国宝・姫路城は、明治維新の折、二束三文で売りに出されたところ(落札価格なんと23円50銭!)を、破壊を惜しむ人々の努力による国有化で命脈をつなぎ、その後も有志者の奮闘による明治末期の改修の実現や、昭和の大改修によって守られて今に至るという経緯をたどっている。
その第一印象は、まさに圧巻。実用と美学が兼ね備わった日本の武家文化の粋の一例が、破壊をまぬがれて今ここに存在することに、心からの感謝を覚えた。
また天守閣から見下ろす場所にある、赤レンガ造りの旧市役所の建物(現在は改修して美術館に使用)も、美観にすぐれていた。
昨年、行政視察に行った横浜市でも、こうした古い建物を改修整備して、町の雰囲気作りや観光の目玉などに活用していた。
それにひきかえ熊本市では、熊本駅の近くにあった風情ある赤レンガの倉庫群を、反対運動があったにも関わらず、あっさり取り壊させてしまった。
歴史的建造物などの文化遺産というのは、興味がない人にとっては『猫に小判』であるし、また維持にはお金がかかる。しかし、上手に生かすことで、金には替えられない価値を発揮することは、多くの先例が教えている。
そうした価値を発揮した可能性がある、熊本市の新町界隈の町並み保存は、まったく公的な手がつけられないままに放置され、いまや自然消滅に近いありさまだ。
熊本人というのは、せっかく持っている財産をきちんと価値判断したり、再生・活用したりすることにまるで疎いらしい。もったいない話である。
■金沢市の『教育プラザ富樫』は、子どもについての相談や学習を一括して取り扱う「総合施設」として、教育委員会がリードしながらも、保育課などの保健・福祉分野とも手を携えた総合的子育て支援施設である。
0歳から15歳までの子どものことで、「何か困ったことがあったら、ここへ来てもらえば何とかなる」という施設に育て上げたいとの所長さんの意気込みに、一同、大いに感銘を受けた。
ちなみにこの視察後、熊本市でも、(仮称)総合保健福祉センターの内部施設として『(仮称)こども総合相談室』を設け、 0歳から18歳までの子どもの問題に総合的に対処しようという構想が進められていることを知った。(熊本市ではこの構想は、健康福祉局に属する子育て支援課がリードを取る形で進められてきたので、私たち教育市民委員会の耳には入ってきていなかったのだ)
『教育プラザ富樫』は、熊本市でいうなら『教育センター』の役割を、保健福祉分野のスタッフをつけくわえて拡大充実したものである。
育児ノイローゼ防止をねらった母親支援の活動や、発達相談窓口、不登校児のための適応指導教室、保育士や学校の先生たちの教育研究のための図書室などが整備され、また年末年始を除き年中無休、夜も 9時まで利用できる。
このあたりは、熊本市の教育センターや、(仮称)こども総合相談室の運営の参考にして欲しいところだ。
また縦割り行政に慣れているスタッフたちの協働体制を作り上げるために、スタッフ全員が一堂に机を並べる職員室を設けている。日常的に顔を合わせる中で、しぜんと情報交換や協力が生まれる工夫であるが、これまた参考にすべきだろう。
さらに建物は、NTTの旧北陸研修センターを敷地ごと購入してリフォームしており、箱物にお金をかけない上手な買い物をしていると、委員一同、感心した。
■ 『金沢21世紀美術館』は、建設費130億円という大規模投資をした施設だが、開館1ヶ月で入場者18万人(金沢市の人口=45万人)という活況を作り出している。
その一番の要素としては、緑の芝生に囲まれた、ガラス外壁の直径 130メートルの円形施設という、この施設自体の現代美術的な存在感があげられるだろうが、内容的にも、現代美術特有の大型重量物の展示や、吹き抜けなどの空間使用の自在さが保障されている。
場所も、名勝「兼六園」のすぐ裏手、かつ市役所のまん前にある。移転した小学校の跡地ということだったが、大胆な投資によって観光の目玉を作り出した成功例の一つになりそうだ。
金沢市は各種の積極的な施策で注目を集めている中核市だが、センスある選択と思いきった投資による成功は、熊本市もぜひ学んで欲しい。
このほど発表された熊本駅前再開発ビルの建設計画では、総工費 120億円のビルの中核施設として、21世紀型の図書館『(仮称)図書情報センター』が予定されている。熊本市のセンスと見識が試される。ぜひ全国から賞賛を集められるようなものに作り上げたい。 |