熊本市自治基本条例修正案(試案)についての意見 一市民より
(このご意見は、熊本市の市民の方から私宛にいただいたものを、ご了解を得て紹介するものです)
○に続く言葉は少し辛らつですが、あくまで独り言ですのであしからずご了承ください。
【前文】
わたしたちが暮らす熊本市は、清らかな地下水に恵まれ、熊本城に代表される歴史的遺産や様々な文化が息づく、都市の機能と豊かな自然が調和しているまちです。
真の地方分権の確立が求められる今日においては、日本国憲法が定める地方自治の本旨を構成する、真の民主主義、すなわち、私たちの熊本市を市民一人ひとりの個性と人権を尊重しながら、希望と誇りをもって心豊かに安心して生活できるまちへ発展させ、次世代に引き継いでいくことが求められています。
さらには、熊本市が、他都市との信頼と協力の関係を構築していくために、私たちは、その市政運営の核となるべき理念と原則を明らかにしなければなりません。
○わざわざこの2行を挿入された意図がわかりません。他都市との信頼協力については、第18条にもあり、「 自治基本条例の前文」 として挿入する必要はないと思います。
今日の多様化する時代における地方自治は、市民が自治の主体としてその役割を自覚し、積極的にまちづくりに参加するとともに、市民 と 市議会 と 市の執行機関とは、熊本市のまちづくりを自己決定する かなえ となり、それぞれの立場を尊重しながら、十分に対話を行い、 自律的 なまちづくりを行う土壌を醸成するために、この条例を制定し、すべての人々に認められ、遵守される最高の条例に育てて行きます。
○かなえ=鼎ですか?これは王位・権威のしるしでしょう。
もしかして、かなめ (要)のまちがいですか?ま、これでもしっくりはきませんが・・。まさしく市議会の「かなえの軽重が問われる」のではないでしょうか。
○自律的=まちづくりに取り組むのに、原文の自立を自己規制する「自律」に変える必要があるのでしょうか。
○この一文の主語と述語はどれなんでしょうか。
地方自治が主語ですか?だとすれば、自立的なまちづくりを行う土壌を醸成するのも、条例を制定するのも、「地方自治」ですかね?
日本語としての体裁を整えるためには、せめて、今の地方自治に求められるもので一度文をきり、条例制定の意義・目的を改めて明確に示す必要があると思います。
出来るだけ修正文を活かすと、
「今日の多様化する時代 の 地方自治においては、市民が自治の主体としてその役割を自覚し、積極的にまちづくりに参加するとともに、市民 と 市議会 と 市の執行機関とが、それぞれの立場を尊重しながら、十分に対話を行い、自己決定、自己責任に基づくまちづくりを進めていかなければなりません。
ここに、わたしたちは、 自主自立のまちづくりを進める 土壌を醸成するためこの条例を制定 するとともに、 すべての人々に認められ、遵守される最高の条例 として 育てて行きます。」
・・・とはしたものの、やはり後の2行は収まりが悪いですね。条例において、「すべての人に認められ、遵守される最高の条例として育てていきます」なんて表現はないでしょう。
◎結論としては、協働や参画の言葉を省く (これは修正文では譲れない点でしょうから)、こと以外、前文は原案どおりがいいと思います。
【第1章 総則】
(目的)
第1条
この条例は、日本国憲法に規定する地方自治の本旨を真に実現するために、熊本市のまちづくりに関する基本原則を定めることによって、熊本市における住民自治の確立を図り、熊本市にふさわしい、より良い政策の実現を目指すことを目的とします。
○これも原案を変える必要はないと思います。もし、 条例制定の目的が「よりよい政策の実現」であるのであれば、 名称を「自治基本条例」ではなく、「市政運営基本条例」に変えるといい のではないでしょうか。 (定義など後の条文も全体としてそのような傾向があります。)
(定義)
第2条
この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによります。
(1)市…市長が代表する公共団体(以下「自治体」といいます。)としての熊本市をいいます。
(2)市民…次のいずれかに該当するものをいいます。
熊本市に住所を有し、又は居住する者
熊本市に通勤し、又は通学する者
熊本市に事務所若しくは事業所を有する法人又は熊本市において事業を営むもの
自治会等の地縁による団体、ボランティア団体、 NPO法人等の市民活動団体又はコミュニティ等で、熊本市において活動するもの
○同意語なのにわざわざ複雑にして原文を変える意図がわかりません 。
(3)市政 …市における政治及び行政の総体をいいます。
(4)市の執行機関 …市長、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会、公営企業管理者及び消防長をいいます。
○以下の条文の関係から「まちづくり」の定義は必要です。
【第2章 まちづくりの基本原則】
(情報共有の原則)
第3条
市の執行機関は、行政情報が市と市民との共有財産であることを自覚するとともに、 まちづくり ( 定義がないから何のことやら) に関して必要な情報を市民及び市議会に対して積極的に提供するために、 文書及び情報 ( 文書も情報の一形態ではないかと思います。並列に並べるものではないでしょう ) について、整理及び保存し、その管理に関する基準を定め、市民がまちづくりに参加しやすい環境を速やかに整えなければなりません。
2 市議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号)に定める議決事件に関する 行政情報以外の情報についても 積極的に収集を行い、 取得することができる とともに、まちづくりに関して必要な情報を市民及び市の執行機関に積極的に提供しなければなりません。
○「・・に関する行政情報以外の情報についても・・」ということはすべての情報ですよね。でも、きっと言いたいことは、 「・に関する情報以外の行政情報についても」 ではないかと思います。
3 前2項の基本原則は、別に定める情報公開に関する条例及び個人情報保護に関する条例に 速やかに反映されるとともに 、必要に応じて、これらの基本原則に基づく新たな制度の構築に努めなければなりません。
○個別の条項の中で、 「 条例に速やかに反映させる 」 なんて表現を使うことはありません。このために第19条の規定 (条例の位置づけ)があるのですから。
4 市民は、まちづくりについて必要な情報の提供を市に求め、取得することができるとともに、まちづくりに関する、有益な情報及び有している知識を積極的に提供することに努めます。
(説明責任の原則)
第4条
市の執行機関は、まちづくりの計画立案、実施及び行政評価のそれぞれの過程において、その内容、効果及び手続を市民及び市議会に対して明らかにし、分かりやすく説明する責務があります。
(対話の原則)
第5条
前2条に定める基本原則に基づき、市民、市議会及び市の執行機関は、 討議及び対話を行っていかなければなりません 。 (どういう意味でしょうか。根回しかな?条例で規定する内容とは思えません。) この場合において、何人も討議又は対話の場において発言した内容について、責任を問われません。( この意図は何?やはり、根回し?その割には、第6条2項の規定はなんのためにあるのでしょうか? )
【第3章 市民の役割】
第6条
市民は、日本国憲法及び法令に定める権利及び義務を有するとともに、この条例の基本理念を実現するため、次の権利を有します。
(1)市議会及び市の執行機関との協力関係の下に、まちづくりに参加する権利
(2)第3条第4項に定める基本原則に基づき、市政に関し情報を求める権利
(3)市政に関し意見を表明し、又は提案する権利
2 市民は、自治の主体であることを認識し、その発言と行動に責任を持ち、自らまちづくりに取り組みます。
○第5条では、発言に責任を問われないといいつつ、ここで市民に責任を持てとは???。
【第4章 市議会の役割】
(市議会及び議員の役割)
第7条
住民の代表としての( わざわざ修飾する必要はないと思いますが、これを付けなければ、住民の代表としての自信がないのでしょうか?) 市議会は、市の議決機関として広範な意見の聴取に努めるとともに、 まちづくりの意思決定機関として、( まちづくりの定義がないのに、意思決定機関の意味が不明だし、議決機関ということで意思決定機関の意味を示していますので不要です。) 市政運営を監視し、公平及び公正で透明性の高い市政が実現されるよう努めます。
2 市議会を構成する市議会議員は、市政運営の監視、市民の意見の広範な聴取並びに政策の提案及び立法に関する活動に努めます。
(分かりやすい市議会)
第8条
市議会は、本会議及び委員会が、市民に分かりやすいものとなるように努めます。
【第5章 市長、市の執行機関及び職員の責務】
(市長の責務)
第9条
市長は、市民の信託に応える市政運営の代表者であり、市民及び市議会と協力し、この条例の基本理念を実現する役割を担い、この条例を誠実に厳守する責務を負います。
(市の執行機関の責務)
第10条
市の執行機関は、 市民の信託を受けて (定義との疑義があります)、 その権限を委任され、責任を負っていることを自覚し、市民のために職務を公正かつ誠実に行わなければなりません。
(職員の責務)
第11条
市の職員は、市民の まちづくりへの参加について支援する専門的な知識を有するスタッフ(これは、 職員の職責の一部のみを表現したものですから、やはり原文が素直です。 ) としての自覚に立ち、自己研さんに励み、職務の遂行に当たっては、この条例に基づいて行わなければなりません。
【第6章 国及び他の地方公共団体との関係】
第12条
熊本市は、 他に誇ることのできるまちとなるために、( これはどういう意味でしょうか?) 国及び熊本県に対して地方自治に関し、対等の立場において発言するとともに、その他の地方公共団体との関係においては、協力と協調によって、 リーダーシップを発揮し( その他の地方公共団体の関係ということであれば、東京都や福岡市も含んでリーダーなのでしょうか。気構えは別として、他の自治体から失笑をかいそうです ) 信頼関係を築いていきます。
【地方自治体の本旨の実現 に向けた課題 】→条例の表題としておかしい。
(まちづくり参加条例等の整備)
第13条
市は、まちづくりの計画立案、実施及び行政評価のそれぞれの過程において、市民が参加する権利を保障し、及び 意思決定の基本原則 について定める条例等を制定しなければなりません 。
○なんとなく、イメージするものはわかりますが、条文としては意味不明。
せめて、条文らしく、 「市は、別に定める条例に基づき、まちづくり(くどいけど定義が必要)に関する意思決定の基本原則を明らかにするとともに、まちづくりの計画立案、実施及び行政評価のそれぞれの過程において、市民が参加する権利を保障しなければなりません。」
(住民投票)
第14条
市政に係る重要事項について、直接市民の意見を把握するため、住民投票を実施することができます。
○だれができるの?主語が欠落してます。市長?議会?市民?。
2 住民投票に参加できる者の資格、住民投票を実施する対象、投票結果の取扱いその他の住民投票の実施に必要な具体的な事項は、それぞれの事案に応じて、別に条例を定めることとします。
3 市長は、実施した住民投票の投票結果の取扱いについては、事前に事案ごとに公表しなければなりません 。
○どういう意味でしょうか。別に条例を定めるのであれば、その中で当然盛り込むでしょう。いらない条項ですね。
○住民投票についても、原文がましです。 (原文は地方自治法の規定そのままなので、個人的には少しは修正してもいいかなと思っていましたが・・・。)
(行政評価)
第15条
市の執行機関は、行政評価の実施に当たっては、市民及び第三者機関等による評価を加えるとともに、その結果を広く市民に公表しなければなりません。
(財政情報の説明)
第16条
市は、健全な財政運営を行うために、歳入の確保に当たっては自主的で斬新な施策を創意工夫し、歳出に当たっては費用対効果を数値化するとともに、財務状況の公表、監査の強化及び財政情報の説明に努めなければなりません。
○15 ,16条は、自治基本条例に規定する内容ではありませんね。(基本条例であれば、行政評価を実施する。財政情報をしっかり説明する程度でよく、その手法等については、別途定める事にすればいいと思います。だからこそ市政運営基本条例のほうが名称として正しいと思います。)
(法令遵守・公益情報通報制度)
第17条
市は、法令を遵守し、公共の福祉の向上に資する公益情報を通報した者が、不利益を受けることがないように、第三者期間を設けるなどして、公益通報者の保護を図る制度を速やかに構築しなければなりません。
(人事制度の確立)
第18条
市は、職員が意欲を持ち、かつ、公平及び公正に職務を遂行することができるよう、昇任等の人事異動及び人事考課を客観的に行い、透明性の確保に努めなければなりません。
○なぜ、人事制度だけを取り上げているのでしょうか?きっと、昇任試験等が根っこにあり、この条文に基づいてしっかりやれば試験制度はいらないという理屈に使うんでしょうね。私自身、昇任試験については反対ですが、あまりに露骨ですね。
【第8章 この (「この」は不要でしょう )条例の位置付け】
(他の条例等との関係)
第19条
市長は、条例、規則、訓令、要網等(以下「条例等」といいます。)の体系及び内容を市民に分かりやすく整備するとともに、この条例に定める基本原則その他この条例の趣旨が条例等に反映されているかを見直し及びその結果を踏まえて速やかに条例等の改正等を行わなければなりません。
【第9章 育てる条例 】( この表現には大変違和感を覚えます)
( この 条例の見直し等)
第20条
市長は、この条例の施行後、市民の意見を踏まえ、この条例に規定する事項に関し、 その目的の達成の度合い、社会情勢への適合状況及び市政運営のよりどころとしての機能の有効性等を総合的に検討し、 その結果に基づいて、 3年を超えない期間 ごとに、条例の見直し等必要な措置を講じなければなりません。
○基本条例なのに3年を超えない期間で見直しとは・・自ら不備を認めているみたいです。
○「その目的・・・市政運営のよりどころとしての機能の有効性等・・・」→気持ちはなんとなくわかりますが、条文ですのでもっと簡潔に表現適切にすべきでしょう。
附則】
1 この条例は、規則で定める日から施行します。
2 市長は第13条に規定する条例の制定について、市民の意見などを踏まえて検討を行い、この条例の施行後3年を経過する日までの間に実施することとします。
○市長はやろうとしても、議会で反対されれば制定は出来ませんけどね。
○以上、赤字、下線部については、基本的に削除、よくて修正が必要と思います。